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オランダに本拠地を置く欧州調査機関のベリングキャットは、8月7日に『中国のフェンタニル密輸ネットワークの日本における足跡』を公表し、合成麻薬「フェンタニル」を米国に不正に輸出している中国組織が、日本に拠点をつくっていたと発表した。
ベリングキャットによると、今回の報道は、日本の出版パートナーである日経新聞社との共同執筆であるとしている。
ベリングキャットによると、今年初めにニューヨークの法廷で、違法薬物取引関連の容疑で中国国籍の2人の男女が裁判にかけられた。この者は、合成麻薬の製造に使われる200キログラム以上の原料物質が中国から米国へ密輸された容疑で逮捕されており、当局によると、これはフェンタニルの致死量2500万回分を製造するのに十分な量だった。
2人の男女は、中国武漢市に拠点を置く化学会社、「湖北精奥生物科技(アマーベルバイオ)」で働いており、2人は麻薬取締局の捜査の一環で、中国からフィジーに誘い出され、その後に米国に引き渡された後に逮捕されていた。しかし、裁判所の文書には、東アジアの別の国とのつながりがある可能性が示されていた。
そのため、ベリングキャットの金融調査チームは、日経新聞から依頼を受けて、調査を開始した。その結果、この中国人らは、中国組織が日本の愛知県・名古屋に設けた「FIRSKY株式会社」と密接なつながりがあったとしている。また、通常の検索エンジンではアクセスできないダークウェブ上では、偽装販売した形跡が残っていたとしている。
また、東京を拠点とするジャーナリストによると、日本は、中国と近く、文化的な繋がりがあり、長期滞在資格の取得が容易であり、規制上の障壁が少ないため、これらのことにより、犯罪が発生する余地があるとしている。