ASEAN首脳会議が開催、AEC・中国問題が話し合われる

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画像提供:アセアン事務局
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2015年のASEAN議長国はマレーシアが担当しているため、今年度のASEAN首脳会議はマレーシアの首都クアラルンプールで26日から開催することをアセアン事務局は発表した。これに先立ちマレーシアのナジブ首相は、AEC設立後は更なる共同体の設立を進める方針であることと、対中国問題は平和的に開催されるべきであるという見解を明らかにしている。

このASEAN首脳会議の開催前に、マレーシアのナジブ首相は各国からの首脳の来訪を歓迎するとともに、共通の課題には共同で対応していく方針であることを発表した。この発表によると、今年末に設立を予定しているASEAN経済共同体(AEC)が無事に設立された場合には更なる統合を進めていくために、事前に今後の統合の方向性を共同で確認・推進するためのロードマップを作成する予定である。具体的には、AEC設立後の10年後の2025年には更なる統合を行う事が可能となるように、各国は協力すべきである。アセアン地域の統合を進める事は、地域に住む人達にとっては前向きで幸せな未来となるため、各政府は積極的に統合を進めるべきである。

首脳会議に先立って開催された外相会議では、フィリピンのデルロサリオ外相が中国の南シナ海における埋め立て行為などを強く批判し、この問題は単独の国における問題ではなく、ASEAN地域における危機のため、共同で対応すべきであるとの旨の意見を発表した。マレーシアのアニファ外相は、これらの意見を受けて「南シナ海の問題は平和的に早急に解決されるべきである。中国とは平和的に話し合うべきである。」と述べており、中国と直接的に対立する意思が無いことを明らかにしている。

しかしながらマレーシアの現地メディアによると、マレーシア国内の識者からは、AEC設立に向けてマレーシアはリーダーシップを発揮する必要があり、フィリピン・ベトナムからの支持を得るためにも、ASEANとして対中国に向けての正式な非難声明を出すべきであるという論が続出している。この論によると、中国の軍事力における脅威に関しても、フィリピンは既にアメリカとの軍事連携を強化しており、ベトナムもアメリカとの軍事連携・武器の輸入を行っており、マレーシアも近年ではアメリカとの連携を強めている事からも、過度に中国軍を恐れる必要はない。中国の脅威はこの時点で対処しないと、マレーシア・インドネシアにもおよぶため、何かしらの対策を実施すべきである。

しかしながら、アセアンの全ての国が中国非難へ賛同している状況ではない。以前のニュースでも報じているが、ベトナム・フィリピンは明確に中国非難しているが、中国との経済的に繋がりが強いタイ・シンガポール・ミャンマーは立場を明確にしていない。マレーシア・インドネシア(インドネシアは中国との領有権争いに備えて・・)・ブルネイでは中国を非難することにより、自国も領土争いに巻き込まれる可能性があるため、同様に立場を明確にしていない。
特に、中国から積極的に支援を受けるカンボジア(中国はシルクロードファンドを設立しアセアンへの支配を強める)・ラオス(ラオスの貧困対策を支援する中国)においては明確に中国へ非難を行うことを反対している。
ASEAN議長国のマレーシアは、難しい舵取りが要求されている。

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