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野村農林水産大臣は、有事の際の国民が飢餓に直面するリスクに関しては、日本産だけでは国民の胃袋を満たしていくことはできないため、現実的な備蓄と増産も考えていかなければいけないとの見解を示した。
4月7日に実施された農林水産大臣記者会見の際に、記者から「有事の際の国民が飢餓に直面するリスクについて伺います。現在の日本の食料自給率は38%とされていますが、有事、つまり戦争において、海上輸送が封鎖されれば、石油タンカー、食料輸送船が日本に届かなくなり、100%輸入頼みの石油及び輸入に多くを頼る種子や肥料、飼料などが枯渇し、備蓄が十分になければ国民は飢餓に直面します。肥料だけでなく、主食の米を中心に、戦争が数年続いても、国民が飢えないだけの食料備蓄が必要なはずです。戦争が起こり、海上輸送網がすべて封鎖された場合、日本国民を餓死させないためには、何がなされるべきか、まず十分な備蓄の量と予算について、農水省の考えをお聞かせいただければ幸いです」との旨の質問が行われた。
この質問に対して、野村大臣は「そういう事態にならないように、やはりやっていかなければいけないので、有事の際はそういうことも心配なことの一つです。ですから最悪の事を考えながらやっていかなければなりませんが、現在輸入している農作物すべてを国産で賄うには、今の国内の農地の二倍の面積が必要です。ですから、日本産だけで、国民の胃袋を満たしていくことはできないので、現実的な備蓄、それから増産も考えていかなければいけませんが、やはり不測の事態においても一定の輸入を確保することは極めて重要だと思います。第一義的には、海上封鎖みたいなことが起こらないよう、世界の平和を願って外交的な交渉をやっていかなければいけないと思います」との旨を述べた。