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日本経済団体連合会(経団連)の榊原定征会長が率いる18名の使節団は、4月7日から9日の日程でインドネシアのジャカルタへ訪問していた。この訪問団が、日本とアセアンにおける協力方法などを協議するため、ASEAN事務総長のレー・ルオン・ミン氏(Le Luong Minh)と会談したことをASEAN事務局は発表した。
この会談では、2015年末に設立が予定されているASEAN経済共同体発足(AEC)に関する協力方法などについて話し合いが行われた。事務総長の説明によると、AECが設立されることにより、10カ国の合計約6億2,500万人規模の世界的見ても大きな市場が設立されることになる。このAEC全体では電力、港湾、輸送、通信、上下水道などのインフラの整備がまだ十分に整っていない地域が多いため、2020年までに毎年600億ドル程度の投資が必要となる見込みである。日本とアセアンの関係を強化するためにも、日本側は官民パートナーシップの仕組みを利用するなどにより、この機会に積極的に投資して欲しい旨が事務総長から説明された。経団連からは、既存の様々な枠組みを活用して協力していく方針であることが述べられた。
ASEAN事務局の統計によると、日本とASEAN間の貿易取扱額は、2003年には1,000億米ドルであったのが、2013年には2,400億米ドルと急増している。日本からASEANへの投資額も、2003年は20億米ドルであったが、2013年には230億米ドルと急増している。今後も貿易取扱額・投資額とも増加していく見込みである。
AECが設立された際には、この巨大な市場を狙っているのは日本だけでなく中国・韓国・米国なども同様であるため、日本政府は官民連携してAECへ対応することが求められている。