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日本の岸田文雄首相は、スリランカのラニル・ウィクラマシンハ新大統領宛ての8月17日の書簡の中で、IMF 交渉の成功、債務再編の迅速な進展、自由で開かれたインド太平洋の実現における両国間の協力への期待などを表明した。
岸田首相は書簡にて、スリランカの政治的安定が確保されることを期待しており、国際通貨基金(IMF)との交渉と、すべての債権者の間で公平な負担を伴う債務再編が、ウィクラマシンハ大統領のリーダーシップの下で速やかに進展することを期待していると述べた。また、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力を含め、両国の友好関係をさらに発展させるため、ウィクラマシンハ大統領と協力したい旨などが述べられていた。
これらの岸田首相からの言葉を受けて、スリランカ大統領は、日本政府に対して、主要な債権国に呼びかけてスリランカにおける債務再編を検討する会合を開くように呼び掛ける意向を示している。なお、スリランカ政府の発表によると、対外債務のうち市場借が47%、アジア開発銀行が13%、中国が10%、日本が10%、インドが2%となっている。しかしながら、現地メディアなどによると表面化されていない債務もあるとの指摘もされている。また、日米豪印クアッドの枠組みである日本とインドなどは債務再編に積極的に協力するだろうが、インドと安全保障面で全面的に対立している中国に関しては、交渉が順調に進むかは未知数としている。