新た法務大臣に就任した古川禎久氏は、外国人材を円滑に受け入れる共生社会をさらに進めていくとともに、日本は日本人だけで生きるものではないために日本人と外国人ということに境界線を引くべきではないとの旨の見解を示した。
古川禎久法務大臣は、10月5日に実施された大臣就任に当たっての大臣訓示で、岸田総理からの指示に「関係大臣と協力して、一定の専門性、技能を有する外国人材を円滑に受け入れるとともに、在留管理を徹底し、技能実習生の失踪などの不適切事案を防止する。特定技能制度について、技能実習制度の在り方を含めて総合的な検討を行う。共生社会の実現に必要な環境整備を着実に進める」があったことを明らかにした。
そのうえで、古川大臣の個人の見解として「社会経済の国際化・ボーダレス化が急速に進む中、我が国における共生社会の実現は喫緊の課題です。この課題を単に外国人施策、また、出入国在留管理庁だけで対応すべき課題と捉えるのは、いささか近視眼的に過ぎ、そうではなく、未来の日本社会を形づくるために向き合うべき課題との大局観を持っていただきたいのです。例えば、総理指示にあります国民に身近で頼りがいのある司法の実現や、差別や虐待のない社会の実現などの他の課題についても、日本人と外国人が共に暮らす社会という大きな視点の下で、検討・取組を進めていく必要があると考えています。我が国の課題を考えますとき、【世界の中の日本】という視点を常に念頭に置くことが大切だと考えております」との旨を述べた。
記者会見では、記者から「入管行政に関する問題ですが、大臣は、御自身のブログの中で、孫文の大アジア主義演説から始まって、非常に積極的・大局的に国際協調主義に基づくような御発言をたくさんブログに書いていらっしゃいます。入管行政で、特に外国人労働者については、外国人材という形で、正面から外国人労働者、そして移民政策という形で、二世代、三世代にわたってきちんと受け入れていくという法整備が全くされていません。結果、あるのは出入国管理行政だけです。その中で、ブログなどで主張されていたような主張を日本の国内法にもきちんと反映させていくような取組というのも必要だと思うのですが、検討していくのでしょうか」との旨の質問が行われた。
この質問に対して大臣は「この時代の流れにおいて、やはり日本は、日本人だけで生きるものではありません。世界で生きているわけですから。外国人と共に生きていく、共生といいますかね。それは日本に限らず、世界における時代のすう勢だと思っています。日本人と外国人ということに境界線を引くということが、やはり、本来の日本人の姿からいったときに、私は、時代の流れの中で、ちょっとそぐわないなということを感じています。日本人と外国人との共生、あるいは人権に重きを置きながら、足元の施策に向き合っていきたいと思っています」との旨の見解を示した。
なお、古川禎久法務大臣は、個人のブログで、中国にどう向き合うかなどのタイトルで『日本自身もまた、「日米同盟で中国を封じ込めよ!」などと短絡に走らぬことを、みずから肝に銘じなければならない。力で力を屈服させようとの発想は、しょせんは「覇道」でしかないのだから』『日米同盟で中国を封じこめるとの戦略がそもそも非現実的であるばかりか、かえって対立を煽り、日本をして軍拡の罠におとしめる危険をはらんでいることは、どんなに声を大にしてもしたりないほど重大である。ここで前のめりになることは、日本にとっておそろしく危険な選択である』『日中はお互いの共存繁栄のために、東アジアでイーブンの落ち着いた協力関係を築くしかない。加えて、世界が文明史的転換期を迎えている今、日中は人類共通の利益のためにも汗をかくべきだと考える。まず手始めに、地球環境問題で日中提携はどうだろうか』『米国=味方、中国=敵、という構図にのめり込み、他国の戦略に振り回されているように見える』などの見解を示している。
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