日本の農林水産省は、外国資本による森林買収に関する調査を実施した結果、北海道で合計20haの森林買収が行われていたことを明らかにした。
日本の農林水産省は、令和2年における外国資本による森林買収の事例について、森林法に基づく届出情報などの行政が保有する情報を参考に、都道府県を通じて調査を行い、結果を取りまとめた。なお、行政が保有する情報は、「森林法に基づく届出情報(面積にかかわらず、森林の土地の所有者となった場合に市町村へ提出されたもの)」、「国土利用計画法に基づく届出情報(一定面積以上の土地について、売買等の契約を締結した場合に市町村へ提出されたもの)」、「不動産登記法に基づく届出情報(第三者への対抗要件として登記所に登記されたもの)」となる。
北海道では、蘭越町において、2haが資産保有の利用目的で買収されていた。ニセコ町では合計3.7haが買収され、真狩村では合計10ha、留寿都村では3.4ha、喜茂別町では0.8haとなる。北海道では合計20haが買収されていた。
また、神奈川県では、箱根町において合計0.6haが買収されていた。京都府では、京都市において合計1.2haが買収されていた。
国内の外資系企業と思われる者による森林買収の事例として都道府県から報告があった事例は、26件あり、森林面積は404haとなっている。なお、居住地が海外にある外国法人又は外国人と思われる者による森林買収の事例の集計(平成18年~令和2年における森林取得の事例)では、北海道が1,804ha、福島県が90ha、群馬県が44ha、神奈川県が13ha、長野県が12ha、兵庫県が260ha、岡山県が48ha、福岡県が60ha、沖縄県が10haとなっている。
なお、北海道に関しては、2019年10月に中国王岐山国家副主席が、習近平国家主席の特使として天皇陛下の「即位礼正殿の儀」に参列後、北海道に訪問しており、有珠山などを視察していた。この中国王岐山国家副主席を歓迎するために開催された昼食会には、日本側からは、鈴木直道北海道知事、北海道議会議長、札幌市長などが参加していた。9月に開催された中華人民共和国成立70周年祝賀レセプションの際には、鈴木直道知事は、北海道では、今後とも中国との友好関係の発展に向け、経済や文化、教育をはじめ多方面で取組を進めていく方針を表明していた。