愛知県は、コロナ禍の現状でも、インドネシアやマレーシアなどの国からムスリム外国人旅行客の受け入れをさらに進めるため、ムスリムメディアを招請して県内視察を実施するじぎょうに約176万円を投入することが明らかになった。
愛知県の見解によると、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により旅行意欲は低下し、各国の渡航制限により入国者数はこれまでにないほど減少していることから、観光産業そのものも深刻な影響を受けている。このような中、訪日旅行が本格化するまでの助走期間として、新型コロナウイルス感染症収束後の訪日意欲の喚起と継続した情報発信は、愛知県の観光産業の将来にとって重要なものであるとしている。現在では、新型コロナウイルスの影響により本県への外国人旅行者数は大幅に減少しているが、近年はASEAN市場からの愛知県への入国者数は高い伸びを示しており、中でもインドネシアやマレーシアといったムスリム割合の高い国からの旅行者数は増加傾向にある。世界のムスリム人口は16億人以上と言われており、今後ムスリム旅行者については更なる誘客拡大が期待される。一方で、現地訪日旅行会社の本県を含む商品は新型コロナウイルス感染拡大以前においても少なく、現地での本県の認知度は極めて低いことが課題として挙げられる。
そのため、愛知県では、平成27年からムスリム旅行者の受入環境整備として、受入側である県内観光関連事業者に向けた普及啓発事業や、県内を訪れるムスリム旅行者に向けたレストラン、礼拝所などの対応施設等の情報提供のためのツーリストマップの作成等を実施してきた。今回実施する事業では、愛知県のムスリム受入環境をPRし、継続的な誘客に繋げるため、ムスリムメディアを招請し、積極的な情報発信を行うものとなる。
具体的には、「ムスリムメディアの招請及び県内視察の実施」「招請後の情報発信」「被招請者へのアンケート調査」などの業務を行うことが求められている。委託金額の上限は、約176万円となる。