日本の環境省は、令和2年度「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」において、ベトナムで5件、タイで2件、ラオス・インドネシア・フィリピンでそれぞれ1件の案件を採択したことを発表した。
今回発表された設備補助事業は、優れた脱炭素技術などを活用し、途上国におけるGHG排出量を削減する事業を実施し、測定・報告・検証(MRV)を実施する事業に対して、初期投資費用の1/2を上限として補助を行うものである。開発途上国における温室効果ガスの削減とともに、二国間クレジット制度(JCM)を通じて日本の温室効果ガス排出削減目標の達成に資することを目的ともしている。なお、今までに採択した案件を含めた2030年までの累積温室効果ガス(GHG)削減量は、約1,370万トンを見込んでいる。
ベトナムでは5件の案件が採択された。『株式会社兼松KGK』の『アンザン省における57MW太陽光発電プロジェクト』は、想定GHG削減量は28,208 tCO2/年となる。『第一実業株式会社』の『食品工場へのバイオマスコージェネレーションシステムの導入』は、想定GHG削減量は24,115 tCO2/年となる。『丸紅株式会社』の『インスタントコーヒー製造工場へのバイオマスボイラーの導入』は、想定GHG削減量は23,908 tCO2/年となる。『エースコック株式会社』の『食品工場への高効率ボイラシステムの導入』は、想定GHG削減量は9,852 tCO2/年となる。『日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社』の『ホーチミン市のホテルへの高効率空調機の導入』は、想定GHG削減量は188 tCO2/年となる。
タイでは2件の案件が採択された。『関西電力株式会社』の『二輪工場及び繊維工場への8.1MW屋根置き太陽光発電システムの導入』は、想定GHG削減量は3,797 tCO2/年となる。『関西電力株式会社』の『機械工場への省エネ型ターボ冷凍機の導入』は、想定GHG削減量は225 tCO2/年となる。
ラオスでは1件の案件が採択された。『加山興業株式会社』の『ビエンチャン県及びボリカムサイ県における14MW太陽光発電プロジェクト』は、想定GHG削減量は8,030 tCO2/年となる。
インドネシアでは1件の案件が採択された。『株式会社新日本コンサルタント』の『西スマトラ州6MW小水力発電プロジェクト』は、想定GHG削減量は18,319 tCO2/年となる。
フィリピンでは1件の案件が採択された。『三菱重工業株式会社』の『パラヤン地熱発電所における29MWバイナリー発電プロジェクト』は、想定GHG削減量は72,200 tCO2/年となる。