総務省は、海外子女・帰国子女の教育状況を調査し各種省庁などに改善のための勧告をした結果、海外の教育施設の充実を図るとともに、外国人児童生徒等の日本語が通じない生徒に対する日本語指導を行う教員の採用・配置を促進していくという方針になった事を発表した。
総務省は、日本企業の海外進出が進み義務教育段階の日本人児童が海外で就学している現状を考慮し、海外における教育や児童の帰国後の状況等を確認する実態調査を実施していた。実態調査を実施した結果、関係省庁へ各種勧告を実施しており、この結果を取り纏めた報告書「グローバル人材育成に資する海外子女・帰国子女等教育に関する実態調査の結果に基づく勧告に対する改善措置状況」を31日に発表した。
『在外教育施設の設立・運営の推進』に関しては、政府援助要件を満たしているにもかかわらず非承認となっている補習授業校の解消に向けた方針の策定と、同補習授業校への予算を伴わない援助の実施を行うように外務省と文部科学省に勧告していた。この勧告に対しては、要件を満たす全ての補習授業校に対して財政支援を行うことを目標として予算の範囲内で政府援助対象校を拡充し、支援要請のあった補習授業校に対しては巡回指導を実施していく方針である事が回答された。
『日本人学校における教育の推進』に関しては、「在外教育施設における質の高い教育の実現」を図るため、その実現のために必要な派遣教員の確保に関する方針を策定するように文部科学省に勧告していた。この勧告に対しては、派遣教員の確保・充実のため、都道府県教育委員会等に協力を求めつつ、平成28年度からシニア教員の活用を一層推進していく事などが回答された。
『帰国子女に対する教育の充実』に関しては、帰国児童生徒の特性に配慮した教育の在り方について具体的な検討を実施し、都道府県・市区町村教育委員会等に対して帰国児童生徒に対するよりきめ細かな支援の実施を行うように文部科学省へ勧告していた。この勧告に対しては、平成28年度に帰国児童生徒のほか外国人児童生徒を含む児童生徒の特性に配慮した教育の在り方について検討し、日本語が通じない児童生徒に対する日本語指導を行う教員の採用・配置を促進との旨の回答を実施している。