フィリピンでは麻薬撲滅活動に関連し刑事罰の対象となる年齢を9歳に引き下げる法案が議会に提出されており、この法案に人権派団体などが猛抗議しているが、議会ではこれらの反対の声を受けても法案を取り下げる事はなく承認させる方向で進めている。
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は麻薬撲滅活動を実施しているが、麻薬密売人は警察からの摘発を逃れるために、刑事罰の対象とならない15歳未満の子供達を利用して麻薬密売を行う対策が以前から実施されていた。これらの対策を封じるために、フィリピン議会に刑事罰の適用年齢を引き下げ9歳以上とする法案が提出されていた。この法案にはドゥテルテ大統領も賛成の意向を示している事からも、議会では成立させる方向で進めており、現時点では6月頃には成立する見込みとなっている。
この法案に反対する人権派団体からは「あらゆる面から考えても、この法案は間違っている。9歳の子供が大人に強制されて犯罪を実行する場合には、子供は抵抗出来ないものである。」「子供が犯罪行為を行ったとしても、行く先は刑務所ではなく、適切な矯正施設であるべきである。」「現行の少年法も適切に運用されていない現状で、更なる年齢引き下げを行うのは理解が出来ない。」「子供達が刑務所に行く事により、刑務所で大人の犯罪者と関わる事で、将来的には更なる凶悪な犯罪に手を染める可能性もある。」などの反対の声が挙がっている。一部の野党議員からも「少年に刑事罰を与える事となっても、少年犯罪が減少するという明確な確証が無い状況でこの法案を可決するのは時期尚早ではないか。」などの声も上がっており、ドゥテルテ大統領の閣僚の中でもこの法案に疑問の声を挙げる者もいる。
この法案に賛成する議員からは「スイスなどの一部の国では10歳などの子供にも刑事罰を下している所もある。フィリピンだけを批判するのはおかしいのではないか。」「犯罪被害を受けた人からみたら、加害者が子供であったとしても、それだけで納得がいくものではない。」「理想がどうであれ、麻薬密売人が子供を利用しての麻薬売買を行っている以上、この様な法案が必要である。重要なのは理想ではなく現実である。」「フィリピン国内の問題であるのに、海外の人権派団体が介入してくる事に理解が出来ない。以前からこの問題に対しての支援等が行われているのであれば納得がいくが、単なる売名行為の一環として言っているのではないかと疑ってしまう。」などの声が挙がっている。
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