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日本の独立行政法人である国際協力機構(JICA)は、フィリピンにおける公共交通を軸とした暮らしやすいまちづくりを支援するため、フィリピン政府との間で技術協力プロジェクト『公共交通指向型開発(TOD)能力開発プロジェクト』に関する討議議事録に署名した。
JICAの見解によると、東京23区と同程度の面積であるマニラ首都圏では、人口増加・過密化が進行しており、これらに伴う交通渋滞や大気汚染等への対応のため、日本は2014年にフィリピン共和国に対し「マニラ首都圏の持続的な発展に向けた運輸交通ロードマップ」の策定を支援し、同ロードマップに基づき、マニラ首都圏地下鉄及び南北通勤鉄道の2本の都市鉄道整備支援を進めてきた。
フィリピン政府は、公共交通指向型開発(TOD)を通じて鉄道利用の喚起と駅周辺の利便性向上を通じた都市環境改善を進めており、フィリピン政府はTODの推進に向けて同分野の知見を持つ日本に技術協力を要請した。
そのため、JICAは『公共交通指向型開発(TOD)能力開発プロジェクト』として、フィリピンにおける公共交通を軸とした暮らしやすいまちづくりを支援することを決定した。この支援は、マニラ首都圏において、BCDAの地下鉄沿線保有用地の開発を促進するためのTODのモデルケースと、TODガイドライン等を策定することにより、BCDA及び関係機関のTOD計画・実施能力の向上を図り、もって公共交通を軸とした都市開発や地域拠点開発の促進に寄与するものとなる。日本側の総事業費は約3.6億円となる。事業実施期間は、2022年3月から2025年3月を予定している。