日本の海上保安庁は、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の維持・強化に寄与するとともに、東南アジア(ASEAN)周辺海域などにおける海賊対策の一環として、巡視船をインドとマレーシアに令和元年12月26日から約1カ月間にわたって、航空機をマレーシアに1月21日から4日間にわたって派遣したことを発表した。
インドでは「連携訓練」と「表敬訪問」を実施した。「連携訓練」は、チェンナイ沖で、海上保安庁長官とインド沿岸警備隊長官の視察の下で、巡視船と航空機による海賊対処に係る連携訓練を実施し、情報伝達・追跡捕捉・停船移乗などの一連の流れを確認した。また、航空機を使用した溺者救助訓練や消火訓練も実施し、日本からは巡視船えちごと搭載機が参加し、インド沿岸警備隊からは巡視船艇5隻と航空機3機が参加した。「表敬訪問」は、チェンナイ寄港中に巡視船えちご船長などによる、インド沿岸警備隊の東部方面本部長と在チェンナイ日本国総領事への表敬訪問を実施した。
マレーシアでは「油防除ワークショップ」と「表敬訪問」と「ファルコン2000の公開」と「海賊対処に係る意見交換」を実施した。「油防除ワークショップ」は、JICAとマレーシア海上法令執行庁が共催したものであり、『海上保安庁職員から油流出事案発生時の対応体制や油防除手法の紹介』『マレーシア関係機関による油防除体制の紹介』『海上保安庁モバイルコーポレーションチームと機動防除隊油防除に係る基本対応の紹介』『機動防除隊及びマレーシア海上法令執行庁による油防除資機材取扱実動訓練』などが実施され、木原内閣総理大臣補佐官がプログラムの一部である油防除資機材取扱実動訓練を視察した。「表敬訪問」は、海上保安庁総務部参事官を団長とする派遣団がマレーシアに派遣され、スバン空軍基地司令、海軍水路部司令・マレーシア海上法令執行庁長官・在マレーシア日本国大使などへの表敬訪問を実施した。