中国政府が受注したジャカルタとバンドンを結ぶ高速鉄道計画の着工式が21日に開催されたが、その後は正式な建設許可が得られていないために建設が中断されていると多くのメディアから報じられている。これら報道に対して中国外務省は、メディア・マスコミの多くは確かな取材に基づいた正しい報道をしておらず、これは間違った報道であり、現時点では両国政府は高速鉄道の建設を進めている、とこれらの報道を否定する旨の見解を明らかにした。
中国外務省の報道官は1月28日の定例記者会見において「一部のメディアでは、高速鉄道の建設が中断していると報じているがこれは間違った報道である。建設を担当する国有企業のひとつである中国鉄路総公司では、既に間違った報道に対して事実を指摘している。これらの会社ではインドネシア側の企業と協力の元で建設作業を進めている。この鉄道建設は両国にとってWin-Winの関係を築けることからも、両国間の関係は一層深まると考えている。」との旨の見解を明らかにした。
中国外務省では、以前からインドネシア政府と中国政府は協力し合い高速鉄道計画を進めており、若干の遅延および問題があることは認めつつも、全体的には順調に作業が進んでいることを発表していた。高速鉄道計画の建設は両国の国営企業からなる企業連合が担当するが、中国政府では日本政府よりも自国の国営企業のコントロールが容易に行えることからも、この案件を中国政府が受注したのはインドネシア政府にとっても良い事であったとしている。また、建設が遅延したとしても、政府主導で実施している建設のため、人員の増強が容易に行え、工期の短縮も可能となるとしている。
また、中国外務省では、日本を含む一部メディアがインドネシア高速鉄道計画に関しては間違った報道をしていると抗議している。一部メディアの報道では、中国政府がインドネシア政府に提案した提案書には日本政府の案をコピーしていた、中国政府はボーリング調査を行っていない、日本の調査結果を不正に流用した、中国政府がインドネシア政府の高官へ賄賂を贈った等と報じているが、これは日本政府・中国政府・インドネシア政府およびそれに準ずる団体が正式に発表した内容に基づいて報じておらず、憶測に基づいて報じているものであるとしている。さらに、報道機関はネット上の真偽が不明な情報を元に報道を行わずに、自身は正しい情報を伝える立場にある事を再認識したうえで、正確な報道するように呼び掛けている。