日本の国土交通省は、ASEAN各国との物流分野での連携強化に向けて、第18回日ASEAN物流専門家会合を2月24日に開催した。
この会合に出席した者は、日本側からは国土交通省と物流事業者である三菱倉庫株式会社が、ASEAN側からはブルネイ、カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの政府関係者、ASEAN事務局となり、合計93名となる。会合では、『コールドチェーン物流の促進について』『グリーン物流の促進について』『国際海上コンテナ輸送の需給逼迫への対応について』『ワクチン輸送にかかる日本の物流事業者の経験について』について意見交換などが行われた。
『コールドチェーン物流の促進について』では、国土交通省より、インドネシア、フィリピン及びマレーシアとの間で実施した二国間の政策対話などや本年2月に開催したマレーシアにおけるコールドチェーン普及啓発セミナーの結果の報告を行ったほか、日本提案によりISOに設置されたコールドチェーン物流に関する技術委員会(TC315)の取組を紹介し、各国へ当委員会への参加を呼びかけた。ブルネイからは、日ASEANコールドチェーン物流ガイドラインをベースとした国家規格化に向けた議論を本年より開始した旨の報告が行われた。カンボジアからは、コールドチェーン物流の促進に向けたアクションプランを年内に策定する予定であり、同アクションプランには、日ASEANコールドチェーン物流ガイドラインをベースとした国家規格化や認証体制の整備などが盛り込まれる予定との報告が行われた。インドネシアからは、小口保冷配送サービス規格であるISO23412をベースとした国家規格の策定に向けて取組を進めている旨の報告が行われた。シンガポールからは、冷蔵・冷凍食品の保管と輸送に関する国家規格を2020年に策定したとの報告が行われた。
『国際海上コンテナ輸送の需給逼迫への対応について』では、国土交通省より、国際海上コンテナ輸送の需給逼迫に係る日本への影響及び日本の対応について紹介した。シンガポールからは、世界的なサプライチェーンの混乱を受けて、食糧の約90%を輸入に依存している同国において、2030年までに食糧自給率を30%に引き上げる目標を掲げている旨説明が行われた。
『ワクチン輸送にかかる日本の物流事業者の経験について』では、三菱倉庫株式会社より、日本国内のワクチン流通において輸送や保管の際に留意している点や専用の輸送容器について説明が行われた。