中国政府・韓国政府は、来年にRCEP(地域的な包括的経済連携協定)が発効されても、自国への豚肉・鶏卵・いちごなどの品目は、検疫面を理由に挙げることで、輸入を防ぐ対策を行う可能性があることが判明した。
RCEPは、ASEAN10か国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)と日本、中国、韓国、豪州、ニュージーランドが参加する連携協定である。このRCEPは、検疫を理由とすることで一部の品目の輸入を拒否することも可能であり、一部の国では、これを利用することで輸入拒否をする動きがみられている。
11月5日に実施された金子農林水産大臣記者会見の際に、記者から「RCEPの件で、お伺いいたします。中国とはですね、韓国ともですが、初めて結んだEPAとなります、改めて国内農業への影響についてどう考えていますか。あと中国とは豚肉・鶏卵・いちごでも関税撤廃を獲得をしていますが、現状、これら検疫面の関係で輸出できない状態です、発効しても。このあたりについて、どのように対応をされるでしょうか」との旨の質問が行われた。
大臣からは「RCEP協定における日本の農林水産の関税撤廃率は、中国に対しては56パーセント、韓国に対しては49パーセントと、TPP、日本・EU経済連携協定よりも低い水準となっています。また、本協定では、いわゆる重要5品目、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物や、国産農林水産品と競合するものにつきましては、関税削減撤廃から除外しております。一方ですね、相手国側の関税につきましては、中国のほたて貝、韓国の菓子、キャンディーや板チョコレートなど、我が国の輸出関心品目について関税撤廃を確保しているところ、今後の我が国農林水産物・食品の輸出拡大につながるものと期待しております」との旨を述べた。
その後に、検疫面の関係で輸出できないことに関しては、大臣は「今、豚の問題について、韓国は日本から輸出するという、向こうの方もいろいろお話があってるんで、それも今、交渉中です。いろんな面について。交渉していますが、なかなか、中国というのはいろんな事情があって、なかなか今のところ交渉の進展が見られてというようなことまではなっていない。でも、話し合いをしているみたいです」との旨の見解が示された。