日本の厚生労働省は、中国・ベトナム・インドネシア・フィリピン・タイの技能実習生が自国に帰国した後の就職状況などを把握するために、平成29年度「帰国技能実習生フォローアップ調査」を実施したことを発表した。
今回の調査の対象となった者は、平成22年7月施行の改正入管法に基づく技能実習制度において技能実習を修了した技能実習生のうち、平成29年7月から11月までの間に帰国したベトナム・インドネシア・フィリピン・タイ・中国の合計22,863人となる。この人数から、5,359人の有効回答が得られた。
調査結果では、技能実習期間を通じて学んだことが、役に立ったと回答した人は96.9%となった。役に立った具体的な内容は、修得した技能の割合が73.2%、日本語能力の修得が66.2%、日本での生活経験が64.9%、仕事に対する意識が62.3%、日本で貯めたお金が62.1%となっている。
帰国後の就職状況に関しては、雇用されて働いている人が22.0%、雇用されて働くことが決まっている人が13.7%、起業している人が16.3%、仕事を探している人が29.8%となっている。「雇用されて働いている」「雇用されて働くことが決まっている」「起業している」と答えている人に、従事する仕事の内容を確認したところ、実習と同じ仕事の人が49.9%、実習と同種の仕事の人が19.8%となり、両者を合わせると合計で約7割の人が同様の仕事に就いている事となった。
保証金の有無等に関しては、保証金等はないと回答した人は83.2%となっている。保証金等を預けた人に返還状況を確認したところ、全部返還されたとする人は66.1%となっている。なお、ここでの保証金とは、技能実習生本人や親族などから送出し機関や監理団体に預ける金品・不動産等となり、実習生本人が失踪した場合等にそれら機関に対する保障に充てられるものである。また、日本への渡航費用などの工面のために行う借金でもない。
在留中の問題の有無に関しては、実習期間中の禁止事項を確認したところ、禁止事項なし・無回答と答えた人が90.2%となった。コミュニケーション以外で困ったことがあったかどうかを確認したところ、困ったことはなかった人が75.5%となり、困ったことはあったと回答した人で最も多かった具体的な内容は、家族と離れて寂しかったという人が61.7%と最も多かった。