3Dインベストメント、スクエニHDの経営課題を指摘するプレゼンテーション資料を公表し、株主の意見を募集

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東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス(以下「スクエニHD」)(9684.T)の大株主であるファンドに対して、投資一任業務を提供する3D Investment Partners Pte. Ltd.(「3D」又は「当社」)は、本日、スクエニHDが長年抱えている経営課題を説明したプレゼンテーション資料(以下「本プレゼン資料」)を公開しました。当社は、株主の皆様のご意見を踏まえて、スクエニHDと企業価値向上に向けた建設的な対話を進めて参りたいと考えておりますので、株主の皆様におかれましては、本プレゼン資料をご覧くださいまして、スクエニHDの経営課題について率直なご意見をくださいますようお願い申し上げます。



Link:
https://www.3dipartners.com/wp-content/uploads/square-enix-presentation-material-jp-202512.pdf

(本プレゼン資料のp.93までのスライドは、2025年9月29日に当社がスクエニHDに提供した経営課題指摘資料「外部から見た貴社の経営課題について」と同一のものです。また、p.94以降のスライドは、同日に当社がスクエニHDに併せて提示した3D企業価値向上策「貴社の飛躍的な企業価値の創造のために」より一部抜粋したものです。)

スクエニHDの経営課題

スクエニHDは、「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」などの世界有数のゲームタイトルを保有しており、日本を代表するゲームデベロッパーとして、輝かしい歴史と卓越した知的財産を有する「国民的」な企業です。

しかしながら、「国民的」な企業であるはずのスクエニHDは、松田前社長を中心とした旧体制から桐生社長を中心とする新体制へと移行した直近の3年間、以下のとおり、①売上高成長率の低迷と②利益率の低迷という経営課題に直面しています。(本プレゼン資料p.15参照)

① 売上高成長率の低迷:FY22/3~25/3におけるスクエニHDの売上高成長率は-4%と業界内で唯一マイナス成長

② 利益率の低迷:FY25/3におけるスクエニHDの営業利益率は13%程度と、競合他社6社平均1の営業利益率28%程度の半分

スクエニHDの経営課題である①売上高成長率の低迷と②利益率の低迷の原因は、HD(High-Definition)/SD(スマートデバイス・PCブラウザ等)ゲーム事業の不振にあります。(本プレゼン資料p.16~17, 74, 88参照)

  • 全社売上高の23%を占めるHDゲーム事業において、FY22/3~25/3の年平均売上成長率は-5%と低迷、FY24/3の調整後営業利益率2は競合平均3が50%である中、わずか10%にとどまります。
  • 全社売上高の23%を占めるSDゲーム事業において、FY22/3~25/3の年平均売上成長率は-17%と低迷、FY24/3の調整後営業利益率は競合平均4が37%である中、わずか14%にとどまります。

スクエニHDは①売上高成長率の低迷と②利益率の低迷という経営課題により、営業利益額やROEといった稼ぐ力の顕著な低下に見舞われ、直近では稼ぐ力を有さないゲーム開発資産の巨額の廃棄損すらも発生している深刻な状況にあります。(本プレゼンp.12, 13参照)

  • 直近の営業利益は40,580百万円となり、FY21/3の営業利益59,261百万円から32%も減少
  • 直近のROEは7%と、FY21/3のROE19%から12%ポイントも減少
  • 直近10年間では、競合他社と比較しても著しく高い廃棄損(合計32,028百万円)が発生。特に、新体制発足直後であるFY24/3において、巨額の廃棄損(22,087百万円)が発生

また、スクエニHDは、業績面だけでなく、市場評価の観点からも課題を有しており、ゲーム事業とのシナジーに乏しい非ゲーム事業を保有していることから、深刻なコングロマリット・ディスカウントが生じている状況にもあります。(本プレゼン資料p.99~109参照)

  • 当社の客観的な分析に基づけば、スクエニHDのゲーム事業と非ゲーム事業との間には、両事業の保有を正当化するだけのシナジーが発生していません。
    • アミューズメント事業
  • スクエニHDの傘下で、売上はほとんど成長しておらず、ゲームセンターを本業とする競合と比較すると、売上高成長率は大きくアンダーパフォームしています5
  • 営業利益率についてもゲームセンターを本業とする競合を下回っています6
  • 過去存在した、ゲーム事業向けの技術開発の試験場としての役割は、家庭機のスペック向上により喪失しました。
  • 出版事業
  • コロナ以降の出版事業の売上高成長率は、市場全体の売上高成長率を下回っています7
  • 海外展開が成長における重要なドライバーとなっている中で、海外売上高比率は競合に劣後8し、更に今後の海外展開に必要なケイパビリティも有しておりません9
  • 唯一、IP資産の相互融通による事業間シナジーも、IP利用上の制約の存在等により期待されません。
  • 実際に、競合他社5社のゲーム事業の事業価値10をゲーム事業の売上高で除した比率は4~11倍(平均7倍)であるところ、スクエニHD全社の当該比率は1.2~2.3倍となっており、シナジーの乏しい非ゲーム事業の保有により同社は市場から著しく低く評価されています。

スクエニHDは、2024年5月13日に中期経営計画(FY25/3~27/3)(以下「現中期経営計画」)を公表しましたが、以下の観点から、現中期経営計画が、スクエニHDの経営課題を解決し、企業価値の最大化を実現できるかについて懸念を持たざるを得ません。(本プレゼン資料p.20~48参照)

  • 具体的な将来ビジョンは示されておらず、「Reboots」という標語の下に①売上高成長率の低迷と②利益率の低迷という経営課題を放置しようとしているように見受けられます。
    • FY25/3-FY27/3までの3ヵ年を「Reboots=再起動」の3年間と定義し、当該期間における減収計画及び競合比で大幅に劣後する利益率改善目標(FY26/3:14.6%、FY27/3:15.0% vs 競合平均28%程度)を公表しました。
    • しかし、FY28/3以降の長期的な財務目標を開示せず、「再起動」後にどのような復活を辿るのかについての道筋を一切株主に示していません。
  • 経営課題を解決するための、個々の問題点(例:開発ポートフォリオの分散、プラットフォーム選択の不備、商品設計の不備等)の解消に向けても、極めて曖昧な方針を示すのみであり、個別のKPI・定量目標や実行計画に関する記載がありません。そのため、個々の問題の解決施策として不十分なものとなっています。
  • 更に未達だった前中期経営計画の具体的な振り返りも不在であり、現中期経営計画は正当性だけでなく、その実効性についても信頼性に欠けるものとなっています。
  • また、事業ポートフォリオ戦略及び非ゲーム事業の経営戦略について、何ら言及はなく、またROICに基づく資本配分方針が不在なことからも、スクエニHDの深刻なコングロマリット・ディスカウントが解消されると期待することも困難な内容となっております。

当社とスクエニHDの対話

当社は、2024年の7月以来、スクエニHDとの対話を継続してまいりました。2025年10月には、桐生社長及びAbdullah社外取締役に対し、スクエニHDの市場から見た経営課題について説明を行った上で、桐生社長に対し、上記の経営課題の解決に向けた企業価値向上策を提示するとともに、企業価値最大化に向けて、抜本的な経営計画の再検証を行うための体制整備と具体的なプロセスをご提示いただくよう要請しました。しかしながら、かかる要請に対し、桐生社長は、当社が指摘した個別具体的な経営課題や解決策に一切触れることなく、また具体的に理由の説明も行うこともなく、現行の中期経営計画は十分であり新たな検証体制は不要である旨を述べた簡潔なメールで回答するにとどまりました。

このように、桐生社長からは、スクエニHDの経営課題に対して十分なご対応をいただけなかったことから、当社は、2025年11月、株主を代理・代弁する役割を担う社外取締役に、企業価値向上のプロセスを前に進める存在となっていただくことを期待し、当社の分析と、社外取締役の皆様に果たしていただきたい役割をご説明する機会を設けていただくこと、及び社外取締役と株主との過去の個別面談などの回数についてご共有いただくことを要請するなど、より一般株主を代理代弁いただくよう働きかけている最中です。

株主の皆様へのご依頼

当社は、本プレゼン資料を通じて、当社の考えるスクエニHDの経営課題を株主の皆様にもご共有いたしますとともに、皆様の率直なご意見を伺い、いただいたご意見を踏まえた上で、改めてスクエニHDとの企業価値向上に向けた建設的な対話を行っていくべきとの考えに至りました。特に社外取締役の方々に、株主を代理・代弁する役割を担っていただくうえで、株主の皆様の意見をご理解いただくことは非常に重要であると考えております。

つきましては、スクエニHDの株主の皆様におかれましては、本プレゼン資料をご一読いただき、当社に対して、スクエニHDの戦略や資本配分、事業構成、ガバナンス、成長機会等に関する率直なご意見をお聞かせくださいますようお願いいたします。株主の皆様のご意見をスクエニHDの取締役会にお伝えし、経営課題の改善に役立てていくためにも、できるだけ多くの株主の皆様からご意見を頂戴できれば幸いです。

ご意見をお伝えくださる場合には、3DIPartners@3dipartners.comまでメールにてご連絡ください。

株主の皆様におかれましては、ご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。

以上

1 競合6社は、Electronic Arts Inc.、バンダイナムコホールディングス、コナミグループ、ネクソン、カプコン、コーエーテクモホールディングスの6社

2 調整後営業利益率は、営業利益÷調整後売上高で算定。調整後売上高は、売上高からプラットフォーム手数料を控除した値と定義。スクエニHDの営業利益(86億円)は、会社公表値▲81億円に、原価計上されたコンテンツ制作勘定の評価損167億円(第三者調査機関による推定)を加算し、86億円と調整。スクエニHDの調整後売上高は、会社公表の売上高992億円からプラットフォーム手数料105億円(第三者調査機関による推定)を控除し、887億円と推定。

3 任天堂、カプコン、コナミの3社の単純平均

4 任天堂、コナミの2社の単純平均

5 スクエニHDによるタイトー買収後、タイトーの売上高は2005年3月期から2024年3月期からまで26%減少。コロナ禍後の2022年から2024年までのタイトーの売上高成長率(+31%)は、競合のGENDA(+79%)、ワイドレジャー(+67%)に劣後。

6 タイトーの直近過去3年間の平均営業利益率(3.9%)は、競合のGENDA(12.4%)、ワイドレジャー(13.1%)に劣後。各社の直近期は、タイトー、ワイドレジャーは2024年3月期、GENDAは2025年1月期。

7 コロナ禍以降の2020年3月期から2023年3月期におけるスクエニHDの出版事業の売上高の年平均成長率(+2.7%)は、国内漫画市場規模の年平均成長率(+4.2%)を下回っている。

8 スクエニHDの出版事業の2023年度の海外売上高比率は7%で、競合の集英社(24%)、KADOKAWA(14%)に劣後。

9 プレゼンテーション p.107とp.108参照

10 ゲーム事業の事業価値は、「連結ベースの企業価値-非事業用資産-非ゲーム事業の事業価値の合計」で算出。事業価値/EBITDAマルチプルは、出版事業は30.0x、アミューズメント事業は12.0x、パチンコ事業は6.0x、玩具事業は7.5x、フィットネス事業は8.5x、その他事業は5.0xで推定。


Contacts

株式会社KRIK(広報代理)
越田:070-8793-3990
杉山:070-8793-3989

このリリースはビジネスワイヤからの提供を受けて掲載しています。
リリース内容については、それぞれの発表元企業にお問い合わせください。

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