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世界の都市総合力ランキング(Global Power City Index 2017) 東京は3位を維持、さらにスコアを伸ばし2位のニューヨークに迫る
弱みを改善し「交通・アクセス」「文化・交流」のスコアが伸長
東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 一般財団法人森記念財団 都市戦略研究所(所長:竹中平蔵)が、2008年より調査・発表している「世界の都市総合力ランキング(Global Power City Index, GPCI)」の2017年の結果がまとまりました。GPCIは、世界の主要44都市を対象に、都市の力を表す様々な分野を総合的に評価した日本初のランキングであり、今年で10回目を迎えました。この10年間のスコアの変遷から、“東京の課題と可能性”が見えてきましたので、報告いたします。
東京は3位を維持、スコアを伸ばし2位のニューヨークに迫る
昨年初めてトップ3に入った東京は、上位2都市であるロンドン、ニューヨークと比べてやや弱かった「交通・アクセス」や「文化・交流」の分野での評価を高め、2位のニューヨークとのスコア差を縮めた。「文化・交流」では「海外からの訪問者数」、「交通・アクセス」では「国際線直行便就航都市数」が東京の総合スコアを高めた主たる要因である。
ロンドンは高い総合力で、他都市を大きく引き離す
6年連続で1位を維持したロンドンは、昨年からさらにスコアを伸ばし、他都市を大きく引き離した。「文化・交流」は昨年同様高く評価されており、「食事の魅力」や「海外からの訪問者数」などのスコアが伸び続けている。英国のEU離脱が今度首都ロンドンにどのような影響を及ぼすかは未知数ではあるが、人口が増加し、大規模都市開発が続いているロンドンの総合力は、当面の間は伸び続けると予想される。
経年分析で明らかになった“東京の可能性”
2007-2008年の世界金融危機以降、数年間にわたって都市力を落としていたロンドンは、2012年の五輪を機に都市力を回復軌道へと乗せることに成功し、さらに五輪以降も着実にスコアを伸ばし続けている。2020年に五輪を控えている東京は、ロンドンと同じ成長カーブを描くことができれば、近い将来にニューヨークを抜いて2位に躍り出る可能性も見えてきた。
世界一の都市を目指す東京の課題
トップ2都市との比較から見える東京の課題
東京は、1位のロンドン、2位のニューヨークと比較すると、「文化・交流」分野のスコアに大きな差がある。具体的には、ハイクラスホテル客室数などの「受入環境」や、文化・歴史・伝統への接触機会などの「文化資源」で大きく引き離されている。また、経済分野の「市場の魅力」や交通・アクセス分野の「国際交通ネットワーク」もこれら2都市の水準には達していない。東京がさらに総合力を高めて世界一の都市になるためには、「経済」および「交通・アクセス」分野における弱みを克服しつつ、「文化・交流」分野のスコアを大幅に高めていく必要がある。
分野別ランキングから見える東京の課題
昨年の分野別ランキングと比較すると、東京は「文化・交流」が5位から4位へ、「交通・アクセス」は11位から6位へと順位を上げた。その理由として、「文化・交流」は、「海外からの訪問者数」や美術館・博物館などの「集客施設」の増加があげられる。また、「交通・アクセス」では、昨年まで「国際線旅客数」としていた指標を「国内・国際線旅客数」へ変更したことによるスコア増や、「国際線直行便就航都市数」や「通勤・通学の利便性」においてスコアをあげたことなどが主な要因である。一方、「経済」は1位から4位へ、「居住」は6位から14位へ順位を下げた。「経済」は上位都市と比べてGDP成長率が低いことや、為替変動(円安)が影響したこと、「居住」では新たに追加した「社会の自由度・公正さ・平等さ」、「メンタルヘルス水準」の指標で評価を伸ばせなかったことが理由である。