今年もタイではソンクラーン祭りが始まります。地域によって開催日が少しずれていますが、バンコクでは今年は4月12日~15日となっています。
田舎からバンコクに出てきている人達はこの期間、田舎に帰ります。親兄弟へのお土産をたくさん持って笑顔と共にバスに乗り込みそれぞれの田舎に戻ります。
私はバンコクへは仕事で180回以上出かけていますので、何度かこの光景に出会ってきました。50年ほど前のバンコクでのソンクラーン祭りは現在のものとは異なり、とても質素なものでした。子供たちが騒ぎながら水の掛けっこを行っているだけでした。もちろん田舎に戻る人達は大勢いましたので、いくつかのお店はシャッターを下ろしていました。そのシャッターの前で子供達は水の掛けっこです。小さな水鉄砲を持っている子供たちがキャーキャー騒ぎながら遊んでいるのですが、時々我々外国人にも水を掛けてきました。4月中旬はタイで一番暑い時期ですから突然水を掛けられても誰も怒る人はいません。皆さんニコニコしながら一緒に楽しんでいるような光景がそこにはありました。
ところが10年ほど前からこのソンクラーン祭りは大きく変わってきたように感じています。トラックの荷台に水がたっぷりと入った大きなポリバケツが3個、4個と積まれていて力のありそうなお兄ちゃん達が大量に水を撒くようになってきたのです。植物に水を撒くように人をめがけて水を撒いているのです。又、水鉄砲も大きく進化をとげ、水バズーカ砲が登場してきました。これは相当な威力がありますから、常に注意をしながら街を歩く必要が出てきました。
もちろんソンクラーン祭りの時に田舎に帰るという習慣は今も続いています。バンコクで働いている人達にとっては、とても大事な事であり楽しみな事なのです。それぞれの田舎でのソンクラーン祭りはひょっとしたらバンコクでのソンクラーン祭りのような派手さはないかも知れません。タイ北部のチェンマイでは伝統的なソンクラーン祭りが現在も行われているのではないかと思います。それはパレード形式でみんなが沿道から楽しむ事ができ、日本の夏祭りにも似た風情があるように私は考えています。いろいろなものが目まぐるしく変化していく中で、いつも変わらぬものが何故か安心を感じさせてくれますね。
今年はどんな水のテロリストが登場するのか、少し楽しみな気もしているのですが。
【著者プロフィール】
三浦純一 66歳
フォーバル・ベトナムのシニ主にホーチミンでの現地法人立上げ、工業団地進出支援。アアドバイザーとして2年。ベトナムでの進出支援はほとんど製造業で約7社。
サイエスト株式会社 海外進出支援サービス 「グローバル顧問」所属
http://www.globalkomon.com
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