マレーシアのナジブ首相は24日から26日の日程で日本に訪問しているが、自国内においてはマハティール・ビン・モハマド(Mahathir bin Mohamad)元首相などから、政府系ファンドのワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)において不正を行っているなどの理由により退陣を迫られている厳しい状況である。
マハティール元首相は、マレーシアの第4代首相であり、マレーシアの首相の中では最長の22年間を務め、経済成長をけん引したた実績がある。そのため、引退後も政治・経済界においては強い発言力がある状況である。
以前のニュース(マレーシア政府系ファンドはケイマン諸島から資金を償還)でも報じているが、1MDBの経営にはナジブ首相も務めており、国の資金が不適切に使用されている可能性が指摘されていた。マハティール元首相は以前から自身のブログなどで、1MDBに関する不正の疑いがある行動を指摘している。ナジブ首相は議会からの質問に虚偽の回答を行った、他国および関連会社を経由する手法により資金の流れを意図的に不透明にしている、法律で禁止されている手法を実施している、などをマハティール元首相は指摘している。
また、マハティール元首相はイスラム教スンニ派過激組織の「イスラム国」に対する現状のマレーシアの対応も批判している。現状のマレーシアはイスラム国への対応として、米国とテロ情報の共有などにおいて協調している。マハティール元首相は、イスラム国を発生させた責任があるアメリカと協調することは、今回の問題が解決出来たとしても、また同様の問題が発生するため、アメリカと協調するのは控えるべきである。同様の過激派団体を発生させないためには、根本的にはイスラム教などに対するアメリカなどの欧米の考え方を変更させない限りは防げない、などの主張を行っている。