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日本の独立行政法人である国際協力機構(JICA)は、シンガポールの農産物事業会社「Olam International Limited(Olam)」との間で、インドネシアにおけるカカオ事業向け支援に関する最大5,600万米ドルの融資契約を調印したことを発表した。
インドネシアは、チョコレートなどの原料になるカカオ豆を59万3,832トン生産しており、カカオ生産国ではコートジボワールの196万3,949トン、ガーナの94万7,632トンに次ぐ世界第3位の国である。インドネシアにとってカカオ農業は、100万世帯以上が従事する重要な産業である。一方でインドネシアのカカオ農地の多くは、小規模農家が所有しており、生産効率や品質の低さが課題となっていた。そのためJICAは、この課題を解決するための支援を実施することとなった。
今回実施する支援は、Olam社のインドネシア子会社が有するカカオ工場の拡張による生産能力の増強に加えて、小規模農家向け貸付を支援することで、インドネシアのカカオ産業のバリューチェーンを強化し、小規模農家によるカカオ生産・取引量の増加を図り、小規模農家の所得向上に寄与するものとなる。インドネシアは地域間格差が課題となっており、カカオ産地は貧困率の高いスラウェシ地域に集中しているため、この事業を通じた小規模農家支援は、地域間格差の是正や貧困削減にも寄与するものとなる。
なお、この事業は国際金融公社(IFC)との協調融資であり、IFCも最大1億2,000米ドルの融資契約を調印した。