中国の楊潔チ国務委員は、南シナ海問題で仲裁裁判所は中国政府の主権を否定したが70カ国以上は中国政府を支持していることからも仲裁裁判所の判決を不当であり従う必要はない、との認識を中国中央テレビ(中国中央電視台)のインタビューに答える形で明らかにした。
中国の国務委員である楊潔チ氏はインタビューにて、仲裁裁判所の下した判決に対して「仲裁裁判所が南シナ海問題に下した判決は、あらゆる意味で違法であり無効であります。中国政府は今後も判決は不法で不当なものである事を世界に訴えていきます。そもそもこの裁判は政治的な茶番であります。一部の国々が中国の平和的な発展を阻害する事を目的として仕組んだ結果です。しかしながら70カ国以上からは、中国政府の立場と考えを支持する声明を出しています。この事からも中国政府の正当性は明らかなものであり、仲裁裁判所が下した判決が間違っている事が分かると思います。何度も申し上げますが、中国政府は南シナ海における正当な領有権を持っています。これは2000年以上にわたる歴史的な事実であります。いかなるものであっても、これを否定する事は出来ません。私達はいかなる事があろうかと、南シナ海における正当な領土を守っていきます。紛争が発生した際には、平和的に交渉や協議を通じて解決していきます。」との見解を述べた。
その他の見解としては「フィリピン政府が中国政府の同意なく、仲裁裁判所に提訴したことは国際法に反するものです。」「仲裁裁判所の人選には日本の柳井俊二氏が関わっており、これは裁判に大きな影響を与えている。そのため裁判には、日本政府の意図が強く反映されている。」「一部の国が中国政府は裁判の結果に従わない危険な国と批判しているが、中国政府は国連と国連憲章に従って世界の平和と安定に貢献してきている。これは70年以上にわたるものであり、中国政府が健全な国である証拠だ。」などの見解を述べた。