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中国外務省は、南太平洋に位置するバヌアツ政府が、南シナ海の領有権問題において中国政府を支持する事となったと発表した。
バヌアツとは、オーストラリアの東に位置し83の島からなる国である。面積は日本の新潟県とほぼ同じ1万2,190平方キロメートルで、人口は約26万人である。国内産業は、農産業と観光産業を中心としているが、恒常的な輸入超過となりオーストラリア、ニュージーランド、日本などからの援助を受けている。日本政府では2013年度までの累計金額で、有償資金協力で49.45億円、無償資金協力で129.19億円、技術協力で71.96億円を援助しており、主要援助国のひとつである。
中国外務省で実施された26日の定例記者会見の際に、南シナ海の領有権問題で中国政府を支持する国が増えているのかという記者からの質問に対して、外務省の報道官は「バヌアツ政府は、南シナ海の領有権問題に対して中国政府を支持する旨の声明を25日に発表しました。これは、中国政府が進めている当事者間のみでの対話を通じて平和的に解決すべきであるという試みを評価しているためです。当事者で無い国が中国政府へ圧力をかける事は避けるべきである。この圧力により、中国政府が平和的に解決しようとしている試みが失敗する恐れがある。」との見解を示している。
中国政府では、ベトナム政府・フィリピン政府・マレーシア政府・インドネシア政府などと争っている南シナ海の領有権問題において、経済支援の見返りにアフリカ地域からの支持を取り付けている。しかし海外メディアから、南シナ海から遠いアフリカからの支援には何の意味も無いとして批判を浴びているため、アフリカ以外の地域の国からの支持を取り付ける活動も進めている。