南シナ海の領有権問題などを討議するASEAN国防相会議(ADMM)がマレーシアで11月4日に開催されたが、この会議で会議参加国における見解の合意が出来なかったため、共同宣言を発表しないことをASEAN事務局は発表した。アメリカ政府は、共同宣言で南シナ海における「航行の自由」を盛り込むよう参加国に要望したが、中国政府の強い意向により宣言が採用されないこととなった。
ASEAN国防相会議は、アセアン10カ国(ブルネイ,カンボジア,インドネシア,ラオス,マレーシア,ミャンマー,フィリピン,シンガポール,タイ,ベトナム)に8か国(米国、日本、韓国、豪州、インド、NZ、中国、ロシア)を加えて実施された。当初予定されていた草案では、「南シナ海」という表記は行わずに「航行の自由」を確保するべきという案だったが、アメリカ政府が中国政府の更なる軍事行動を抑制するために、「南シナ海」と表記することを提案したが、中国政府およびアセアンの一部国から反対されたため、最終的に何の宣言も採用されないこととなった。
議長国のマレーシアのヒシャムディン国防相は、会議の後の記者会見で「今回の会議では参加国からの合意が得られなかったため、宣言を行わないこととなった。どの様な案に対して、どの国から反対があったか等の詳細については明らかにする予定はない。しかしながら、アセアン地域における連携は重要であることからも、今後も話し合いは続けていきたい」と述べた。
アメリカ国防省高官は今回の会議の結果を受けて「中国政府による南シナ海の埋め立てや軍事拠点設立といった具体的な内容が無い声明を出すことが出来ないのは残念であった。玉虫色の宣言を出すこと自体に意味はないので、宣言が無い事自体には特に懸念していない。」と述べた。
中国政府は今回の会議の結果を受けて「アセアン地域以外の国が、当初に予定していた内容を変更させようとしており、会議が混乱することとなった。」と暗にアメリカを批判する内容の声明を発表した。
関係者の話しによると、中国と繋がりが深く支援を受けているラオスとカンボジアが中心となり、「南シナ海」と明記した共同声明への同意を行わなかったとみられる。南シナ海の領有権を直接争っているフィリピンは積極的にこの案に賛成していたが、中立であるインドネシアやマレーシアなどが賛成・反対といった明確な立場を示さずに、アセアン各国の同意が得られないまま会議が終了することとなった。
アセアン10カ国情報










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