自民党の岸田政権は、孤独・孤立対策を行うため、当事者に直接に支援するのではなく、NPOなどへ69億円を投入する予定であることが明らかになった。
岸田総理は、総理大臣官邸で第1回孤独・孤立対策推進本部を4月19日に開催した。総理は、「近年、我が国では、社会環境の変化により人と人とのつながりが希薄化しており、今後、単身世帯の増加が見込まれる中、孤独・孤立の問題が深刻化することが懸念されています。関係大臣におかれては、既存の施策の運用改善や新規施策の検討など、更なる推進につながる取組をしっかりと検討してください」との旨を述べた。
内閣官房孤独・孤立対策担当室によると、孤独・孤立対策に取り組むNPO等への支援(令和6年度予算案・令和5年度補正予算)は、現時点では69億円となっている。
『孤独・孤立対策の取組モデルの構築と新たな交付金の創設【内閣官房・内閣府】』に対しては、NPO等による孤独・孤立問題に対する日常生活環境での早期対応や予防に資する先駆的な取組への支援の予算などを拡充するため、合計2.9億円となっている。
『女性に寄り添った相談支援【内閣府】』に対しては、地方公共団体がNPO法人等の知見を活用して行う、不安や困難を抱える女性に寄り添った相談事業やその一環として行う生理用品の提供等への支援などを継続するため、合計3.6億円となっている。
『こどもの居場所づくり【こども家庭庁】』に対しては、NPO等が創意工夫して行う居場所づくりやこどもの可能性を引き出す取組への効果的な支援方法等を検証するためのモデル事業を継続することなどのため、合計25.2億円となっている。
『生活困窮者等支援・自殺防止対策【厚生労働省】』に対しては、NPO法人等が行う社会的孤立等を抱える者に対する自殺防止に係る取組への支援などを継続するため、合計18.4億円となっている。
『食品アクセス・フードバンク支援【農林水産省】』に対しては、こども食堂等の地域の関係者が連携して取り組む体制づくりなどを支援するため、合計5.9億円となっている。
『住まいの支援【国土交通省』に対しては、NPO等の居住支援法人等が実施する住宅確保要配慮者に対する入居相談や見守り等の活動への支援の予算を拡充するため、合計13億円となっている。