野村農林水産大臣は、インド・タイ・ベトナムなどによる世界的な米の価格上昇圧力が強まっていることに対しては、日本への影響はないとの旨の認識を示した。
9月30日に実施された農林水産大臣記者会見の際に、記者から「世界的な米の価格についてお伺いします。先日インドが米の一部輸出制限に踏み切ったほか、タイとベトナムが輸出米の値上げに向けた協議を始めるとの一部報道がございます。米は小麦や大豆とか他の食糧に比べて比較的価格が安定しているというふうにされてきましたけれども、ここへ来て価格の上昇圧力が強まっています。世界的な米の価格についての現状認識をお聞かせください」との旨の質問が行われた。
この質問に対して大臣は「輸出大国のインドが一部米の品種の輸出制限に踏み切ったほか、タイとベトナムも値上げ方向に向けた協議が進んでいると、こういう話も伺っておりますが、米の輸入制度につきましては、我が日本ではミニマム・アクセス米、これが77万トンということで、これは国家貿易により国が一元的に輸入いたしておりますために、米輸出国の価格が国産の米価に影響を与えることはないと。これはもう一元的に国が77万トン輸入しておりますので、全く価格に影響はないという認識であります」との旨の見解を示した。
その後は「なお米の国際価格の指標になっているのは、タイ米の輸出価格でございまして、タイでの市場が一つの指標になっておりますので、9月現在でありますが、大体440ドルから460ドル。これは1トン当たりでありますけれども、推移いたしておりますので、あまり大きな変動はないし、昨年と比べてもあまり変動はないということでございましたので、今御懸念のように、一部の国では値上げとか、あるいは輸出を制限しているとかというのがありますけれども、国内の米の価格にはほとんど影響はないというふうに思っていただいて結構でございます」との旨の見解も示した。