古川禎久法務大臣は、不法在留者3,100人のうち約1,000人に前科(殺人・強盗・性犯罪など)があり更にそのうち470人が難民認定を申請しているという現状に関しては、それでもルールにのっとったうえで受け入れと支援を続ける必要があり、同時に違反には厳正に対応していくとの見解を示した。
11月30日に実施された法務大臣閣議後記者会見の際に、古川禎久法務大臣は「私自身、社会経済のボーダーレス化が急速に進むこの時代の流れの中で、外国人と共に暮らす、共生社会の実現は、日本に限らず、世界における時代のすう勢だと考えています。また、ルールを守って我が国に在留する全ての外国人が、社会の一員として、公共サービスを公平に享受し、安全・安心に生活できる環境を整備していくことが重要だと考えています。法務省としては、共生社会の実現に向け、総合調整機能をしっかりと発揮してまいります」との旨の見解を示した。
その後に、記者から「一部報道で、不法在留者3,100人のうち約1,000人に前科があり、更にそのうち470人が難民認定を申請しているというデータが報道されました。入管庁が実態調査を進めるとしています。この点に関する入管庁で把握する事実関係と、更にこの点についてどう分析、評価するのかについて大臣の受け止めをお願いします」との旨の質問が行われた。
この質問に対して大臣は「指摘の報道については承知しています。不法滞在者の中には、殺人や強盗、性犯罪などの重大な犯罪を含め、前科がありながら、退去強制に応じず、送還忌避している外国人もいるとの報告は受けています。これをどう評価するのかというお尋ねですが、先ほども申しましたとおり、外国人との共生社会を実現するためには、外国人の人権に配慮しながら、ルールにのっとって外国人を受け入れ、適切な支援を行うこと、それと同時に、ルールに違反する者に対しては厳正に対応すること、これが大原則、大前提です。その前提にのっとって、送還忌避・長期収容の問題は、早期に解決されるべき喫緊の課題であるという強い思いを持っており、そのための必要な法整備はしっかりと進めていきたいと考えています」との旨の見解を示した。