長崎県では、令和3年度 外国人材受入促進セミナー(長崎・佐世保会場)を開催し、外国人技能実習制度に関しての問題点などが説明された。
このセミナーは、外国人材の受入れに関心のある全ての者に向けて、技能実習・特定技能の制度説明から受入の方法までを説明するために開催されたものであった。このセミナーでは、外国人技能実習制度における課題を『外国人技能実習制度・新たな在留資格「特定技能」の概要と外国人技能実習制度適正化事業から見えてきた課題について』として、説明された。
この説明によると、監理団体における、【技能実習法】の観点からは、「訪問指導・監査に行っていない」「訪問指導・監査に行ったものの、実習実施者の事業所に顔を出すだけで指導・監査をしていない」「送り出し機関との協定書に記載の額とは異なる、送り出し管理費を実習実施者に請求している」「監理団体が技能実習計画を作成している」との問題点があった。【その他(中協法等)】の観点からは、「出資割合(4分の1)を越えて出資している組合員がいる」「組合員となっていない(出資金の払込みをしていない)企業がいる」「組合の地区が複数都道府県にある場合に、従たる事務所を設置しているが、定款にはその記載がない」「賦課金(会費)を課税扱いとして徴収している」「賦課金の額・徴収方法、役員報酬を総会にて諮っていない」「損益計算書が区分経理されていない」との問題点があった。
実習実施者における、【技能実習法】の観点からは、「入国後講習の記録がない」「実習生からの相談記録がない」「安全衛生に係る指導をしていない」「パスポート、マイナンバーカード、通帳等を実習実施者が管理している」「実習計画の内容との齟齬がある」との問題点があった。【その他(中協法等)】の観点からは、「割増賃金が支払われていない」「割増賃金の算定基礎に含むべき手当が含まれていない」「賃金控除に関する協定書がない」「雇用条件通知書には記載されていない勤務形態となっている」「有給休暇の申請をさせていない」との問題点があった。
また、監理団体側は『「訪問指導、監査をしている」と言っても、その傘下の実習実施者へ聞くと、監査には来るけど、お茶だけ飲んで帰っていくということがよく聞かれる』などの問題点があるともしている。