インドネシア・シンガポール・タイなどの合計22カ国・機関が参加する「WTO非公式閣僚会合」が10月27日に開催され、漁業補助金交渉と新型コロナウイルス感染症への対応などの意見交換が行われた。
「WTO非公式閣僚会合」とは、OECD閣僚理事会の機会に豪州が毎年主催してきたものとなる。今年も10月28日・29日の同理事会のタイミングに合わせて、テレビ会議形式で開催された。
今回の会合に参加したメンバーは、ASEAN加盟国からはインドネシア、シンガポール、タイの三か国が、それ以外の地域からはボツワナ、ブラジル、カナダ、チリ、インド、ジャマイカ、ノルウェー、サウジアラビア、南アフリカ、スイス、EU、NZ、豪州、中国、日本、韓国、英国、米国、WTOの合計22か国・機関となる。日本からは野上農林水産大臣、茂木外務大臣、梶山経済産業大臣の3大臣が出席した。
日本政府からの発言としては、野上農林水産大臣からは、漁業補助金交渉では、SDGsの目標に沿って、真に過剰漁獲能力・過剰漁獲につながる補助金を規制すべきであること、またコロナ後の安定した農産物貿易の維持のためには不必要な輸出規制が行われないようにする必要があることが述べられた。
茂木外務大臣からは、来年に予定されている第12回閣僚会合に向け、日本として重視している事項として、「新型コロナを受け導入されている貿易制限措置の要件をルール化していくことの必要性」「デジタル化が進む中、信頼性のある自由なデータ流通の新しいルールづくりが重要であること」「新興国の台頭で世界経済の実態が大きく変化する中で各国が応分の責任を果たすべきこと」「より多くの加盟国が合意できる恒久的な紛争解決制度改革が必要であること」の4点を指摘し、引き続き日本として主導的な役割を果たしていく考えを述べた。
梶山経済産業大臣からは、WTOの交渉機能の強化について、「医療関連物資のサプライチェーンの維持・強化」「公平な競争条件の確保」「新しい経済社会の姿にふさわしい、WTOルールのアップデート」の発言を行った。