東京都は、外国人が日本で犯罪やトラブルに巻き込まれることなく安全安心な生活を送れるようにするため、【外国人在留マニュアル】を作成し、日本のルール・マナーなどとして、ごみはごみ箱に捨てること、万引きは犯罪であるので行わないこと、定期券・保険証・在留カードの貸し借りを行わないことなどを呼び掛けている。
東京都の見解によると、都内では令和2年1月時点で約58万人の外国人が暮らしており、その数は年々増加している。しかし、外国人の中には、生活環境、文化、言語の違いから、日本人住民とトラブルになる人や、日本の法律の不知、忘却、錯誤から、意図せずに法を犯してしまう人がいるとしている。
そのため東京都は、在住外国人などの子供を対象にした安全啓発を実施することを10月20日に発表している。この安全啓発は子供を対象としているが、子供だけではなく外国人全般に向けた同様の取り組みとしては、【外国人在留マニュアル】を作成して配布している。
【外国人在留マニュアル】では『日本のルール・マナー』として、「ごみは、ごみ箱に捨ててください」「ごみを出すときのルールを守ってください」「賃貸契約書の内容を守ってください」「廊下や階段に物を置かないでください」「廊下や室内で、大声で騒いだり、大きな音で音楽を聴かないでください」「電車やバスの中では、携帯電話で話したり、大声で話をすることは控えましょう」「お酒を飲んだり、たばこを吸ったりできる人は、20歳以上の人です」「たばこは、喫煙場所で吸ってください」などを呼び掛けている。
『注意してほしい日本の法律』では、「定期券、保険証を貸したり借りたりしないでください」「拾った物は交番に届けてください」「「万引き」は犯罪です」「置いてある他人の自転車に乗っていかないでください」「危険物を持ち歩かないでください」「違法な薬物の所持・使用は犯罪です」などを呼び掛けている。
『アルバイトをするときの注意点』では、「アルバイトをするときは、事前に資格外活動許可を受けてください」「アルバイトをする際は、風俗店で働かないでください」「アルバイトをする際は、風俗店と類似する店に注意してください」「学校を辞めた後、アルバイトはできません」「許可等を受けずに自分の家を宿泊施設として有料で提供しないでください」などを呼び掛けている。
その他の呼び掛けは、「在留カードを貸さない、渡さないでください」「自転車は駐輪場に停めてください」「日本では、車と同じ法律が自転車にも適用されます」などとなっている。
なお、このマニュアルは、中国語(簡体字)、韓国語、英語、ベトナム語、ネパール語、タイ語、ミャンマー語に翻訳したものが冊子として作成されており、インドネシア語版、マレー語版、モンゴル語版、ベンガル語版、中国語(繁体字)版、フランス語版、ポルトガル語版、ロシア語版もデータでは存在している。