国土交通省は、東南アジア地域などにおける海外での港湾物流プロジェクトを受注することなどを目的として、第10回海外港湾物流プロジェクト協議会を8月6日に海運クラブで開催したことを発表した。
国土交通省では、大きな需要が見込まれる海外港湾物流プロジェクトにおいて、官民連携による海外展開に向けた取組みを積極的に推進するために「海外港湾物流プロジェクト協議会」を設置している。国土交通省インフラシステム海外展開行動計画2019では、今後3年から4年にかけて注視するプロジェクトとして、ASEAN地域のミャンマー・ベトナム・タイ・カンボジア・フィリピン・シンガポール・インドネシアなどの国におけるプロジェクトを挙げている。今回は、これらのプロジェクト獲得を促進することなどを目的として、第10回目となる協議会が開催された。
会議に出席した者は、伊藤忠商事株式会社の特別理事、一般社団法人日本鉄鋼連盟の建設企画委員会委員長、などの民間企業90社と関係機関14機関と関係省庁となる。議事内容は「国土交通省港湾局から政府の取組方針」「国土交通省港湾局、国際協力機構(JICA)、国際協力銀行(JBIC)、海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)から港湾分野の最近のトピック」「意見交換」となった。
会議では、冒頭に座長から、2017年のインフラ受注額は約23兆円となり2020年に30兆円という目標に向けて増加基調を維持しており、この要因としてトップセールスに加えて官民の一致団結した取組の成果であるとの発言があった。国土交通省、JICA、JBIC、JOINからは、政府の取り組み方針や海外港湾におけるプロジェクトの最新の状況などについて情報提供が行われた。副座長からは、技術面での安全性や信頼性やライフサイクルコストなどの日本の強みを官民一体となって相手国に売り込むことの必要性、さらなる海外展開のために本協議会において情報共有や意見交換を行うことが重要であるとの旨が述べられた。最後に座長から、インフラ受注額30兆円の目標に向けて「海外社会資本事業への我が国事業者の参入の促進に関する法律」の施行や本協議会での官民連携の深化を通じて、日本企業によるプロジェクトへの参画を着実に積み重ねていくことが重要との総括が行われた。