RCEPの早期妥結へ、質の高いTPPの方が優先順位は上か

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画像:共同声明文より
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日本の世耕経済産業大臣は、東京で7月1日に開催された「第5回RCEP中間閣僚会合」に出席し、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)に参加している16か国で共同メディア声明を発表した。

RCEPは、アセアン10か国に日本・中国・韓国・オーストラリア・ニュージーランド・インドの6か国を加えた16カ国による広域経済連携である。現在はこの連携を実現させるために、16カ国による交渉・調整が実施されており、日本政府としては包括的かつバランスのとれた質の高いRCEPの早期実現を目指している。今回は、ASEAN以外の国が初めてホストを務める閣僚会合が東京で開催された。

会合が実施された結果、共同メディア声明が発表された。この声明によると、参加した官僚は現在の国際貿易環境が一方的な行為もしくは報復によって深刻な危機にさらされている事等を留意し、RCEP交渉を「RCEP交渉の基本指針及び目的」と整合する形で、迅速にかつ成功裏に妥結することの重要性を認識し、異なる発展段階の国が積極的に参加して利益を得ることができる、開かれて包括的な地域経済統合に向けて、RCEPの妥結に向けて協力して実現することを再確認した。

日本政府では、アメリカが離脱した後もTPP(環太平洋パートナーシップ協定)を発効させるために尽力しており、今年の3月にはTPPの署名式が実施されている。このTPPは、中国政府を念頭に置いて構築された制度という一面もあり、中国と貿易・政治面で争っているオーストラリア政府も積極的にTPPを発効する準備を進めている。そのため、日本政府にとってRCEPはTPPよりも優先度が低いものとなっているとの見方もある。一方で、TPPに参入していない中国政府はRCEPの早期実現を呼び掛けている。

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