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日本の環境省は、日本企業の海外進出と途上国支援を兼ねて、日本企業の質の高い環境インフラを海外に輸出する事を目的とした「環境インフラ海外展開基本戦略」を策定した事を発表した。
途上国においては交通・電気分野を中心としたインフラ整備が急速に進められている。これらのインフラ整備が進められるにつれて、各国では都市化が急速に進む事により、大気汚染や環境汚染等の公害が発生しつつある。これらの公害対策は総じて後回しにされる事が多く、被害が拡大してから対応が始まる事がほとんどであった。また、気候変動対策の分野においては、途上国においても2050年までには大幅な削減が求められている。そのため日本政府は、これらの国の環境対策を支援し、合わせて日本企業の海外進出を支援する事を目的とした『質の高い環境インフラ輸出』の取り組みを進める事を決定した。
新たに策定された「環境インフラ海外展開基本戦略」では、途上国におけるそれぞれの実情・ニーズを把握したうえで、環境インフラの整備を促進するところから開始し、人材育成や能力開発を行うための研修までを実施するパッケージとして実施していく事を目標としている。特に日本と経済的に繋がりが深いASEAN(アセアン)などの東南アジア地域の国々では、経済発展とともに都市化が進み環境インフラのニーズが顕在化していることから、この地域を重点的にサポートとしていく方針である。その際には、アジア開発銀行(ADB)や他の政府関係機関等と連携して実施していく。