Effissimo Capital Management: 株式会社東芝の臨時株主総会第1号議案に対する弊社の考え

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シンガポール--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 株式会社東芝(以下、「東芝」)は、本年3月24日開催予定の臨時株主総会において、第1号議案「戦略的再編の検討を進めることに関する株主の皆様のご意見確認の件」を付議しています。本議案に対する、Effissimo Capital Management Pte Ltd(以下、「弊社」)の考えは以下のとおりです。

1. 概要の説明

  • 東芝が提案する戦略的再編(以下、「本分割」)は、東芝の企業価値および企業としての将来にとって大きな分岐点となり、また、不可逆的であるため、判断の誤りは取り返しがつかないものとなります。
  • 本分割は、東芝の中長期的な企業価値を本当に高めるのかという点において大きな懸念があり、むしろ、中長期的な企業価値の毀損に繋がる可能性もあるのではないかと考えられます。
  • 現在の東芝の経営体制は、本分割のように不可逆的かつ重大な影響を及ぼす経営戦略を適切に策定し、執行していくという重責を付託するに足る体制ではありません。不可逆的かつ重大な経営戦略については、信頼される経営体制が構築されたうえで、当該経営体制において十分な審議がされる必要があり、経営戦略の策定を主導した経営陣が責任をもってその遂行にあたるべきです。
  • 弊社は本議案に賛成できないと考えています。弊社は、東芝において、早急に経営の混乱を収束させ、株主を始めとするステークホルダーから信頼される経営体制が構築されることを期待しています。

2. 詳細の説明

本分割は、東芝の全ステークホルダーにとって重大な影響を及ぼすものであり、東芝の企業価値および企業としての将来にとって大きな分岐点となるものです。さらに、本分割は、複数の事業売却を伴いながら、東芝をまったくの独立した2つの法人に切り分けるものであるため、不可逆的であり、判断の誤りは取り返しがつかないものとなります。
したがって、本議案に賛成票を投じるためには、本分割が、東芝の中長期的な企業価値向上に繋がるという確信が必要です。しかしながら、これまでの本分割をめぐる東芝の動向は混乱しており、ステークホルダーに大きな不安を感じさせるものとなっていることに加え、本分割に関する開示情報やこれまでの議論の経緯を弊社が分析する限り、本分割は、東芝の中長期的な企業価値を本当に高めるのかという点において大きな懸念があり、むしろ、中長期的な企業価値の毀損に繋がる可能性もあるのではないかと考えられます。

東芝の現経営体制は、①棄損された株主を始めとするステークホルダーからの信頼を回復するための取組みの途上にあること1、②経営リソースが不足していること2、③本分割が将来の東芝に及ぼす影響について責任を負うべき人物が執行役を退任してしまったこと3、④新CEOは暫定であり株主総会の決議を経て選任された取締役ではないこと4、⑤取締役会に経営の執行を行う取締役がいないという異例な状態であること5等に鑑みれば、本分割のように不可逆的かつ重大な影響を及ぼす経営戦略を適切に策定し、執行していくという重責を付託するに足る体制でないことは明らかです
このように、株主を始めとするステークホルダーからの信頼回復を待つことなく、不可逆的かつ重大な影響を及ぼす経営戦略を策定し、その経営戦略について株主総会で審議すらされていない状況で、暫定の新CEOを含む暫定の執行役らに経営戦略の執行を委ね、戦略策定を行った当事者らは退任するという事態となっていることは、経営責任を全うしているとは言えず、株主として大変残念に感じています。

東芝の将来に対して責任がある株主として、弊社が、このような不可逆的かつ重大な影響を及ぼす経営戦略を評価するためには、その前提として、少なくとも、株主を始めとするステークホルダーから信頼される経営体制が構築されたうえで、そのような経営体制のもとで十分に審議される必要があると考えます。そして、株主によって経営戦略が承認可決された後は、経営戦略の策定を主導した経営陣が責任をもって経営戦略の遂行にあたるという企業経営における当然の経営体制が維持される必要があると考えます。

以上のことから、弊社は、現時点の東芝の状況に鑑み、本分割のように不可逆的かつ重大な影響を及ぼす経営戦略を承認するべきではないと判断し、第一号議案については賛成できないと考えています
東芝においては、早急に経営の混乱を収束させ、株主を始めとするステークホルダーから信頼される経営体制が構築されることを期待しています。



1 東芝は、圧力問題に関連して設置されたガバナンス強化委員会の提言を踏まえ、今後、「棄損された株主を始めとするステークホルダーの皆様の信頼を一日でも早く回復できるよう、努力を続けて」いくとしています(2021年12月16日付「ガバナンス強化委員会調査報告書における提言等をふまえた再発防止策等に関するお知らせ」)。
2 東芝では、昨年の定時株主総会で当初13名の取締役を選任することを予定していましたが、その後、取締役選任議案の一部取下げや否決、さらに取締役辞任などがあり、結果的に取締役の人数は8名まで減少しており、コーポレートガバナンス・ガイドラインにおいて適切とされている取締役の人数を下回った状態が継続しています。
3 本分割案を中心となって策定してきた代表執行役兼取締役であったCEOと副社長こそが、本分割が将来の東芝に及ぼす影響について責任を負うべきですが、両者は3月1日付で唐突に執行役を退任しています。
4 新CEOと新COOは、取締役会によるパフォーマンスの評価が継続中であり、代表執行役に相応しい業績を上げていることを確認できるまでという意味で、暫定での任命とされています。
5 代表執行役兼取締役2名が執行役を退任したため、今後、少なくとも次期定時総会までの約4か月間、取締役会には経営の執行を行う取締役がいないという状態が継続することになります。


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本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先
ボックスグローバル・ジャパン株式会社
担当:久原啓・藤澤志穂子・田邊亮二
TEL:03-6204-4358/03-6204-4347/03-6204-4337

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