GSMA:アジアのデジタル経済には国境を越えた自由なデータ・フローが不可欠

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アジア全域におけるデータ・プライバシーの枠組みの調和が世界貿易を拡大し、GDP増加の機会を提供

バンコク--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- GSMAが本日、バンコクで開催中の「モバイル360 - デジタル社会」カンファレンスで公表した新たな報告書によれば、アジア諸国の政府は、データの国際間移動に関する不要な制約を排除することで、この地域のデジタル経済を拡大し、さらなる社会・経済的恩恵を各国民にもたらすことができます。報告書「Regional Privacy Frameworks and Cross-Border Data Flows(地域的なプライバシー・フレームワークと国境を越えたデータ・フロー)」は、この地域のデータ・プライバシーに関する規制で適正なバランスを取ることができれば、経済活動と、5G、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)の今後の革新を大幅に強化できることを明らかにしています。


過去10年間に、国際的なデータの流れによって世界のGDPは10.1%増加しました。すでに世界のGDPに対する貢献額は、年間2兆8000万ドル1を超え、その割合は商品の世界貿易を上回っています。データを転送、保存、処理する能力は、商取引を可能にし、革新を促進して、新しい技術、プラットフォーム、サービス、インフラの開発を促進します。

アジア太平洋地域は、消費者を守ると同時に、国境を越えたデータ・フローを可能にするデータ・プライバシーの枠組みを順調に築いてきましたが、報告書は各国間におけるデータ・プライバシー法のばらつきが、貿易と革新を妨げていることに光を当てています。また報告書は、アジアの2つの主要なプライバシーの枠組みである「個人データ保護に関するASEANフレームワーク」と「APECプライバシー・フレームワーク」が地域レベルでの連携を改善し、国境を越えたデータ・フローを実現するように呼びかけています。

GSMAのプライバシー担当ディレクターのBoris Wojtanは、次のように述べています。「デジタル経済とデータ・フローが、多大な経済機会を生み出すことは明白です。個人の権利を保護し、この経済的可能性をアジアのみならず、全世界で開拓するには、データのプライバシー保護に対して汎アジア的なアプローチを取ることが非常に重要です。地理的な拘束を受けるプライバシー法の寄せ集めで人々の個人情報を規制しようとすると、アジアの企業が将来革新を行って優れた製品やサービスを消費者に提供しようとする際に、足かせにしかなりません。さまざまなプライバシー規制の隔たりを埋め、より調和の取れたものにするために、すべての国々が行動を起こすべき重要な時を迎えています。」

調査では、さまざまな地域におけるデータ・プライバシーの枠組みと基本方針を評価したほか、各国の状況を掘り下げて、プライバシー規制に関する国家的アプローチを特定しました。アジア全体でさらに足並みを揃えるために、発展途上国を含むすべての国々が講じるべき具体的な手段を明らかにしています。報告書の主要推奨事項として、以下のようなものがあります。

  • APECとASEAN諸国の政府は、各国におけるプライバシーの枠組みの隔たりを埋めるために、本調査で概説している選択肢を検討し、ほかの地域の枠組みとの相互運用性を改善すべきである。
  • アジアの国々は、国レベルのプライバシー制度の調和を推進すべきである。そのためには、データのプライバシーに関する自国の立場を理解するために状況分析を行い、当地域におけるその他の政府の認識を検討して、共通の道筋を探る必要がある。
  • 政府の政策立案者とプライバシー保護の執行機関は、より緊密な協業と地域における相互学習を支援すべきである。
  • 政府は民間部門と学術界における、非政府のプライバシーの専門家の知見を活用して、アプローチに関する情報を得るべきである。

またGSMAは本日、報告書「Cross-Border Data Flows: Realising Benefits and Removing Barriers(国境を越えたデータ・フロー:メリットの実現と障壁の排除)」も公表しました。同報告書は、世界的なデータ・フローが個人、企業、政府にもたらすメリットを説明しつつ、企業に国内でデータを保存するように求めたり、企業による個人データ転送を禁止したりするなど、データの国内限定を強化する施策の悪影響について探っています。報告書は、世界中の政府が国内制限に関する不要な施策を排除することに注力し、個人データの保護に対するアプローチを向上させて、国境を越えたデータ・フローを実現するように呼び掛けています。

報告書「Regional Privacy Frameworks and Cross-Border Data Flows(地域的なプライバシー・フレームワークと国境を越えたデータ・フロー)」(英文)は、こちらで入手できます。

報告書「Cross-Border Data Flows: Realising Benefits and Removing Barriers(国境を越えたデータ・フロー:メリットの実現と障壁の排除)」(英文)は、こちらで入手できます。

-以上-

編集者への注記:

1.マッキンゼー・グローバル・インスティテュート、「Digital Globalisation: The New Era of Global Flows」(2016年)

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GSMAは世界中のモバイル通信事業者を代表する団体で、750社を超えるモバイル事業者を結集しています。そのうち350社以上は携帯電話機および端末メーカー、ソフトウエア企業、機器プロバイダー、インターネット企業など、広範囲なモバイル・エコシステムを構成する企業であり、関連業界セクターの組織も参加しています。GSMAはモバイル・ワールド・コングレス、モバイル・ワールド・コングレス上海、GSMAモバイル・ワールド・コングレス・アメリカズ、モバイル360シリーズのカンファレンスなど、業界を主導するイベントの開催も行っています。

詳細情報については、GSMAのウェブサイトwww.gsma.comをご覧ください。GSMAをツイッターでフォローしてください:@GSMA。

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