ベトナム政府は6日、ロシアのメドベージェフ首相がロシア・ベトナム国交65周年を祝うためにベトナムに訪問し、この訪問の際にベトナムのグエン・タン・ズン首相と会談を行い、両国間の関係を強化することに合意したことを発表した。
この会談では、両国間の貿易取扱額を2020年までに現在の約3倍の100億米ドルとすることを両者は努力し、今年中にベトナム・ロシア間における自由貿易協定(FTA)を締結することを約束した。
具体的に両国が交流を強化する分野として、エネルギー分野・金融分野・農業分野・国防分野・観光分野が挙げられた。ベトナムでは電力不足に悩まされていることからも、ロシア側は原子力発電所の建設への支援を申し出た。観光分野の協力方法として、お互いに観光に関する宣伝をし合おう事で合意した。国防分野においては、軍事技術やトレーニング方法においてロシア側は支援を申し出ており、武器の供与に関しても更なる支援した。東シナ海の領有権問題に関しては、国際法に基づき平和裏に解決すべきだという認識を共有した。
両国は戦略的パートナーとして今後も関係を深めていく事に合意し、メドベージェフ首相はグエン首相へロシアへの公式訪問を呼び掛け、グエン首相は喜んで受諾の回答を行った。
ベトナム政府は、南シナ海の領有権争いで中国と争っていることもあり、対中国のためアメリカとロシアの協力を深める方針である。
アメリカとは、ベトナム戦争が終結して40年が経ち国交正常化20周年となる今年に、アメリカとの関係改善を中国などの他国へアピールするためにも今年の6月頃にベトナムの最高指導者のグエン・フー・チョン共産党書記長がアメリカに訪問する予定である。訪問した際には、アメリカから軍事産業・エネルギー産業などの協力を取り付けるため、TPPなどの条約締結に関してはベトナム側が譲歩するとみられている。
また、中国との関係改善を図るために、グエン書記長が7日から10日の日程で中国に訪問する予定である。