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日本の独立行政法人の国際協力機構(JICA)は、国境付近における水際対策の強化により強靭な保健システムの構築に貢献するため、タイに5億円を限度とする無償資金協力を実施することを発表した。
タイでは、中国に次いで新型コロナウイルスへの感染者が国内で確認されたことから、警戒感をいち早く示し対応したことにより、感染拡大の抑え込みに成功し、徐々に経済再生に向けた取り組みが進展していた。しかしながら、地方部の国境付近のコミュニティ病院では、機材不足等により十分な検査・診断・治療体制が整っていないため、検査・診断の遅れによる感染者数の急増リスクがあり、また病院の治療体制も不十分であることから、国境付近における水際対策強化のため、病院における検査・診断・治療機材の充実化が喫緊の課題となっていた。
そのため、日本政府は「新型コロナウイルス感染症危機対応緊急支援計画 (The Programme for COVID-19 Crisis Response Emergency Support)」として、5億円を限度とする無償資金協力を実施することを決定した。この支援は、24ヵ月にわたって実施される予定であり、実施機関は保健省およびに外務省国際開発協力機構となる。
具体的に実施する予定である事業内容は、「機材調達」と「コンサルティング・サービス」となる。「機材調達」では、検疫・検査用機材(隔離用陰圧テント、患者搬送用陰圧カプセル、PCR検査機器、高感度抗原検査機器等)、診断・治療用機材(ポータブルX線機材(デジタル)、人工呼吸器等)の調達を行う。「コンサルティング・サービス」では、調達監理、検疫・診断・治療機材に関する技術指導を行う。