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日本の総合商社である双日株式会社は、商社機能を発揮してグラフェンの需要創造・商業化によりエコ社会の実現に貢献することなどを目的として、シンガポールを拠点にグラフェンを製造・販売する「2D Materials Pte. Ltd.(2DM)」社に出資したことを発表した。
双日の見解によると、グラフェンはナノカーボン材料の一つであり、様々な優れた特性を持つことから「究極のナノ材料」として世界中で注目されている。グラフェンは、シリコンや貴金属の代替としての需要が期待されており、エネルギー貯蔵から塗料・コーティング分野など多くの分野での商業化の可能性を有している。
双日が出資する2DMは、グラフェン研究で世界最先端のひとつであるシンガポール国立大学からスピンアウトしたスタートアップ企業であり、環境負荷の低い溶媒を使用したクリーンな製造プロセスを用いて、高品質なグラフェン製品を製造できる技術を有している。環境負荷が高い特殊な溶媒を使用してグラフェンを製造する競合企業に比べ、よりシンプルなプロセスによってグラフェンを製造できるため、製造コストの削減につながり、より低価格での販売が実現可能である。また、ノーベル賞受賞者を技術アドバイザーに抱え、グラフェン業界をけん引する人材との協業体制を構築している。
双日は、今まで培ってきた全世界約5,000社に及ぶ化学業界での顧客ネットワークや、販売・調達ネットワークを活かしながら、2DM社の高品質・低価格なグラフェンの実用化を推進し、現在まだ実現されていない商業化を実現することで、業界内での優位的ポジションの確立を目指していく。