農林水産省動物検疫所は、フィリピンから違法に持ち込まれたソーセージからアフリカ豚熱ウイルスが検出されたため、海外から日本への肉製品の持込みなどに関する協力を呼び掛けている。
農林水産省動物検疫所の見解によると、アフリカ豚熱は、豚やイノシシに感染する家畜の伝染性疾病で、致死率が高く、有効なワクチンがないため、日本国内に侵入すると畜産業に甚大な被害を及ぼすとしている。日本では、今までに本病の発生は確認されていないが、2018年8月以降、アジア地域においてアフリカ豚熱の発生が急速に拡大し、日本へ侵入する脅威が一段と高まっているとしている。そのため動物検疫所では、2019年4月22日以降、海外からの肉製品の違法な持込みへの対応を厳格化しており、現在までに6件9名の逮捕者が出ている。
今回は、フィリピンから到着した旅客により持ち込まれた豚肉製品(ソーセージ2.2㎏)から、89例目となるアフリカ豚熱ウイルスの遺伝子が検出され、さらに当該製品からは、3例目となる感染性のあるウイルスが検出された。そのため、監理団体・実習実施者・技能実習生などに対しては、アフリカ豚熱をはじめとする家畜の伝染性疾病が日本に侵入することを防止するための呼び掛けが行われた。
技能実習生の人たちに対しては、『海外から日本へ肉製品を持ち込むことはできません。インターネットを利用して海外から購入することや国際郵便、宅配便での送付も対象です。母国から仕送りやプレゼントを日本に送ってもらう時には、肉製品を入れないように母国のご家族・ご友人にお伝えください』『肉製品を違法に持ち込んだ場合、3年以下の懲役又は300 万円以下(法人の場合は5,000万円以下)の罰金の対象となります』『海外で使用した作業着や作業靴は日本に持ち込まないでください』『アフリカ豚熱発生国に訪問(帰国)した際には、家畜を飼育している農場などへの立ち入りは極力避けるようお願いします。やむを得ず家畜に触れたり、農場などに立ち入った場合は、日本に到着した際に、空港にある動物検疫所のカウンターにお立ち寄り下さい』と呼び掛けている。
監理団体・実習実施者の人たちに対しては、『上記の内容について、技能実習生(特にこれから日本に訪れる実習生)に対して周知していただくようお願いします』と呼び掛けている。