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日本の独立行政法人国際協力機構(JICA)は、インドネシアの低中所得者層の住居取得の促進及び生活の質向上を支援するため、「低中所得者層向け住宅ローン支援事業」の融資契約に調印した。
JICAの見解によると、インドネシアでは人口や世帯数の増加や都市への移住を背景として、都市部を中心に年間約100万戸以上の住宅需要があるが、インドネシアの住宅ローン市場の融資残高はGDP比で4%と、近隣国のタイの22%やシンガポールの50%などより低い水準に留まり、住宅ローンへの金融アクセスが住宅取得における課題となっているとしている。低中所得者層の住民自身が建設した「自己建築住宅」の占める割合は、同国全住宅の約70%と推計されているが、自然災害に晒される危険性が高いなど、安全面に課題があるほか、COVID-19などの感染症対策の観点からも、衛生的な住宅の必要性が高まっているともしている。
そのため、JICAはインドネシア共和国のPT Bank Tabungan Negara Persero Tbk(BTN)に対し、インドネシアにおける低中所得者層への住宅ローン貸付資金として、海外投融資による70億円の融資契約に調印した。この融資は、2019年に日本政府が発表した「対ASEAN海外投融資イニシアティブ」に沿うもので、その柱として創設された「アジア諸国向け金融包摂促進ファシリティ」のもとで、Citi及びPT Bank Central Asia Tbkとの協調融資により実施される。