インドネシア政府は、中国政府が実施するインドネシアの首都ジャカルタと近隣のバンドンを結ぶ高速鉄道建設プロジェクトにおいて日本からの協力を得るため調整を進めようとしているが、日本政府はこの件に関しての詳細については回答を控えた。
インドネシアの首都ジャカルタと近隣のバンドンを結ぶ高速鉄道建設プロジェクトにおいて、日本と中国が受注競争を実施した結果、インドネシア政府は中国政府のインドネシア政府予算を使用せずに建設する中国の案を採用したことにより、中国の支援を受けて建設することが決定していた。しかしながら、建設計画では当初の完成予定が2019年となっていたにも関わらずに、現在でもまだ完成しておらずに、新型コロナウイルスの影響もあり、工事は一時中断となっていた。この鉄道計画では、完成がさらに遅れるとともに、費用もさらに増えることが確実となっていた。そのためインドネシア政府からは、費用の圧縮を図るとともに、早期の完成を目指して、この計画に日本を加えることが可能であれば加えるべきとの案がでていた。しかしながら、中国と日本が共同して事業を行うには、線路の規格が違うことや技術流出などのさまざまな面から、難しいのではとの見方もでていた。
6月30日に実施された茂木外務大臣会見の際に、記者から「インドネシアの大統領の計画なのですけれども、多分コストダウンのためになんですけれども、インドネシア鉄道高速化事業に関し、インドネシア政府は日本と中国の事業一本化を希望していますが、日本はどう考えているでしょうか。インドネシア政府からの正式な要請を受けているでしょうか。今までのジャカルタ・スラバヤのプロジェクトはどこまで進んでるのでしょうか」との旨の質問が行われた。
この質問に対して茂木外務大臣は「最近のインドネシアの鉄道事業に関します様々な報道については、承知をいたしております。我が国は、ジャワ北、ジャカルタからスラバヤのあの長い距離になるわけでありますが、この幹線鉄道高速化事業に関します協力準備調査を実施しているところでありまして、引き続きインドネシア側と議論・協議を行っていきたいと思っております。今、そういった議論を行っているところでありまして、詳細につきましては、相手国政府との関係もありまして、お答えは差し控えたいと、こんなふうに思っております」との旨の回答を行った。