自民党政権では官民連携でUSAIDと緊密な国連開発計画(UNDP)が実施する環境保全支援に10億円を供与しているが、このUNDPは、「SATOYAMAイニシアティブ推進プログラム(COMDEKS)」に関するセミナーを開催したことを発表した。
今回のセミナーは、経団連自然保護協議会と環境省との共催により開催された。セミナーでは、経団連自然保護基金と環境省の資金援助を受けUNDPの小規模助成プログラム(SGP)の枠組で実施されている「SATOYAMAイニシアティブ推進プログラム(COMDEKS)」第4フェーズの進捗状況が共有された。同プログラムへの資金提供を行っている日本の民間企業関係者、学術関係者などを含む約130名が、対面およびオンラインで参加した。COMDEKSフェーズ4対象国のうち3カ国(カメルーン、コスタリカ、トルコ)から、SGPナショナル・コーディネーターもセミナーに参加した。
セミナーでは、各国におけるCOMDEKSの進捗と実施状況に関する彼らの発表により、地域社会がどのようにして環境課題に取り組みながら、生計の向上とレジリエンスの強化を実現しているのか、具体的な活動事例が示された。UNDP駐日代表は、開発途上国における生物多様性保全支援に対する日本の民間企業の関心と積極的な姿勢を高く評価しつつ、COMDEKSプログラムで採用されている、地域コミュニティ主導の戦略策定および意思決定プロセスが、持続的かつ長期的なインパクトを確保するために不可欠な「地域の主体性」の醸成において極めて重要であることを、改めて強調した。
なお、UNDPでは、日本政府の環境省および生物多様性条約(CBD)事務局の支援のもと、SGPの枠組みを通じて10年以上にわたり支援を実施している。この支援は、2022年に第4フェーズに移行し、それまでの環境省に加えて経団連自然保護基金からの支援も受けながら実施されている。第4フェーズの対象国は、キルギス、モロッコ、トルコ、ネパール、ベトナム、ブータン、カンボジア、サモア、カメルーン、ガーナ、タンザニア、ウガンダ、コスタリカ、ペルー、ジャマイカとなる。第4フェーズへの拠出額は、環境省から7億円、経団連自然保護基金から3億円の合計10億円となる。