このページの所要時間: 約 1分15秒
岩屋毅外務大臣と中国の王毅(おう・き)外交部長は、日中外相会談を12月25日に実施した。
日本側の発表によると、岩屋外相は、尖閣諸島を巡る情勢を含む東シナ海情勢や、中国軍の活動の活発化、ブイ、中国による一方的資源開発等につき、深刻な懸念を伝え、中国側の対応を求めた。また、中国に渡航する短期滞在者を含む、日本人の安心・安全の確保につき中国側の協力を改めて求めるとともに、邦人拘束事案や「反スパイ法」の不透明性は、日本人が中国への渡航をためらう要因となっていることを指摘し、透明性の向上及び拘束されている邦人の早期釈放を求めた。
一方、中国側の発表によると、岩屋外相が要請した上記の項目は、ほぼ触れられていなかった。さらには、岩屋外相は、日本は歴史問題に関する「村山総理大臣談話」の明確な立場を堅持し続け、深い反省と心からの謝罪の意を表明するとともに、日本人にビザなしの待遇を与えてくれた中国に感謝し、日本は両国間の人的交流を促進するためにビザ政策をさらに緩和するとしている。
なお、両外相は、日中両国の国民間の相互理解の促進の観点から、政府による発信のあり方やメディアとの関係等について外交当局間で意見交換を行う日中外務報道官協議を早期に再開することを確認した。この協議は、日中関係の深化のために、両国の外務報道官が協議するものとなり、広報協力などを実施していたものとなり、今後は日本側の発信も中国の意向が反映される可能性が出てきている。