海上保安庁は、日本の海上交通路の安全確保に向けて、シンガポールとインドネシアに海賊対策のため海上保安庁航空機を12月3日から6日にかけて派遣したことを発表した。
この派遣では、『表敬訪問』『UNODC(国連薬物・犯罪事務所)と連携したMDA(海洋状況把握)研修』『UNODCと連携したMDA研修フライト』などが実施された。
『表敬訪問』では、12月4日には、シンガポールにおいてアジア海賊対策地域協力協定情報共有センター事務局(ReCAAP‐ISC)のナタラジャン事務局長と会談し、東南アジア地域における海賊対策にかかる連携協力等について意見交換を実施した。5日には、インドネシア ・バタム島においてインドネシア海上保安機構(BAKAMLA)のシュフェンリ西部管区本部長と会談し、当庁航空機のバタム島派遣に対する歓迎と支援への謝意を伝えるとともに、今回の派遣及び当庁航空機を利用した研修が、両機関のさらなる連携・協力の強化及び東南アジア地域における海洋状況把握に関する相互能力向上に繋がるという認識を共有した。
『UNODCと連携したMDA研修』では、インドネシアのバタム島に海上保安庁職員を派遣し、インドネシア、マレーシア、フィリピンの海上保安機関職員に対し、海洋監視等のノウハウについて講義を行いMDAに関する能力向上支援を実施した。本研修では、海上の状況を監視して情報を収集し、不審な船舶の発見や海難救助等に迅速に対応するための技術などを教授した。
『UNODCと連携したMDA研修フライト』では、MDA研修の一環として、インドネシア、マレーシア、フィリピンの海上保安機関職員を派遣機に同乗させた上、海上保安庁が実施する監視取締りについて研修フライトを実施した。この研修フライトでは、スマトラ島周辺の海域をレーダーなどを使って監視し、オペレーション本部に報告するまでの手順を実践した。なお、海上保安庁航空機を活用したMDA研修は、今回が初めての取組となる。