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中国政府は、日本産食品に対して輸入規制を実施しているが、日本政府は現状では正面切って止めるように要請できないとの旨の見解を示した。中国政府の思惑通りの展開となっている。
7月28日に実施された農林水産大臣記者会見の際に、記者から、中国による日本産食品の輸入規制に関して「これは輸入規制といいますか、検査を厳密にするということで、なかなかこう規制とも言えなくて、難しいところだと思うのですけれども、外務省を通じて、そういったその厳格化に対しても、申し入れといいますか、そういった対応をとらないようにということは、伝えているということでよろしいでしょうか」との旨の質問が行われた。
この質問に対して大臣は、「通関の事務が、例えば通常で1週間ぐらいしかかからないものが3週間もかかり、生ものがだめになっていくなどの話はまだ聞いていません。そういうことが現場で少しずつ起こりつつあるというのは、想定できるのですけれども、詳細な状況がまだ確認できていませんので、具体的な事象が出てくれば、大使館等を通じて情報が上がってくれば、対応していかなければならないと思います」との旨を述べた。
その後に「今回のALPS処理水(放出計画)がどうこうということではなく、通関の事務が滞っているという話だけでは、私どもも真正面から言えないところもあるのです。実際の通関事務が遅れているという、原因が明確になっていないので、こちらとしても正面切ってそれはだめではないのかと言えないのです。今回は通関が遅れているというだけですから、まだ具体的な現象というのを完全に把握していませんので、詳細な状況を確認してどうするかというのは、外務省、経済産業省とも話をしていかなければならないだろうと思います」との旨を述べた。