野村農林水産大臣は、水際対策が緩和されインバウンドなどで外国人が多数入国してくることを踏まえて、アフリカ豚熱の侵入を許さないためにも防疫員を増員しているが、人間が運んでくるものは止めきれないとの旨の見解も示した。
9月30日に実施された農林水産大臣記者会見の際に、記者から「アフリカ豚熱(ASF)の対策について伺います。来月11日から水際対策が緩和され入国者数の上限も撤廃されるなど、あるいはこれまで国際便が飛んでなかったところにも国際便が来るということで、訪日客の増大が予想されています。ということはつまり、お土産品含めて、感染症、特に動物の感染症も入ってくる機会が増えるということだと思います。これまで農水省は、ASFを入れさせないための対策を強化してきたと思いますが、この度の入国者制限の撤廃など水際対策の緩和に伴って、ASF対策について何か強化したり、変化したり、何か考えてらっしゃることありますでしょうか」との旨の質問が行われた。
この質問に対して大臣は、「アフリカ豚熱、アジアの中では、幸いにして日本と台湾だけがいわば侵入していません。これを阻止するということで、農水省を中心に取り組んできておりました。その中でいろんな形で人が持ち込むもの、あるいはその人たちの物品が持ち込むもの、いろいろありまして、これは人間の目で見た方がいいというものについては、家畜伝染病の侵入リスクに対応するために、防疫員の増員も行ってまいりました。それからもう一つ非常に有効なのが、物品等について、なかなか包んであると分からないということで、検疫探知犬を相当増やしました。また、ポーランドの農業大臣とのバイ会談がありましたが、日本は素晴らしいと、よく防ぎ切っていると、こういうお話をいただきました」との旨の見解を示した。
その後、「今回からインバウンドの皆さんが増えてくるということで、もちろん役所の方ではいろいろシミュレーションをしながらやっておりますが、人間が運んでくるというものまでは、なかなか止めきれないということもあります」との旨の見解も示した。