川崎市の外国人市民は、外国人が暮らしやすい社会を実現するためには、半数以上の者は地方参政権が必要であり、審議会などへの参加や、公務員およびに教員としての就労が必要であるとの見解を示している。
川崎市によると、川崎市では国籍や民族、文化の違いを豊かさとして生かし、すべての人が互いに認め合い、人権が尊重され、自立した市民として共に暮らすことができる「多文化共生社会」の実現をめざしているとしている。
この取り組みの一つとして、外国人市民意識実態調査が令和元年6月から7月にかけて行われていた。この調査票の対訳言語は、日本語(るびつき)、英語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、韓国・朝鮮語、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、ベトナム語、タイ語の10言語となる。標本数と抽出方法は、住民基本台帳から単純無作為抽出した5,000標本となる。有効回答数は1,085件となった。
この調査票の「Q33.外国人が暮らしやすい社会にするために、次のようなことは重要だと思いますか?」とのカテゴリの質問において、「A.外国籍の市民が市長・市議会議員への選挙権を持つ」の質問には、「とても重要である」25.8%、「重要である」32.8%、「重要ではない」20.1%となっていた。「B.より多くの外国人市民が市・区の会議に委員として参加する」の質問には「とても重要である」23.6%、「重要である」42.7%、「重要ではない」14.0%となった。「D.より多くの外国人市民が役所の職員や学校の教職員として働く」の質問には、「とても重要である」30.6%、「重要である」43.4%、「重要ではない」9.2%となった。
自由記述欄への回答において、参政権に関しては『外国人市民代表者会議に留まらず、外国籍市民にも参政権が与えられ雇用した外国籍職員に昇進の道を開く、真の地域社会作りを目指して欲しいです。ヘイトスピーチに罰金条例案が出された事などは市民として誇りに思っています(アフリカ)』『一の外国になのに、過大な参政権があってはならないと思います。しかし、町内会の日常生活にかかわること、手伝わせるところがあれば参加したいと思います。ありがとう(台湾)』『外国人に参政権は必要ありません。日本人は知的で賢明な政策決定者です!(スリランカ)』などが記載されていた。