文部科学省は、高等学校における日本語指導の在り方に関する検討会議(第3回)を7月19日に開催する。
文部科学省の見解によると、日本に在留する外国人が増加していることに併せて、この 10 年で公立小・中・高等学校等における日本語指導が必要な児童生徒数は大幅に増加しているとしている。また、文部科学省が実施した調査によると、高等学校に在籍する日本語指導が必要な生徒は、中退率や非正規雇用率が高いという状況も明らかとなっているとしている。そのため、これらの問題を解決することなどを目的として、高等学校における日本語指導の在り方に関する検討会議を設置することを決定していた。
今回の会議では、議題を「ヒアリング 高等学校における教育の基本的な考え方等」「高等学校における日本語指導の制度化の在り方と充実方策について」「高等学校における日本語指導の制度化に関する論点整理(案)について」として開催される。
なお、前回の第二回目の会議の際には、委員から「いわゆる外国人生徒、外国にルーツのある生徒たち、子供たちを、日本社会で今後どういうふうに育てていくのか、社会に輩出していくのかという観点に立ったときに、やはり推進力になるのは母語だと思うんですね。母語の力と日本語の力、両方を伸ばすことによって、彼らはこれから社会でバイリンガル人材として育っていく。彼らがどういう教育によって、日本社会でどういう人材として、日本社会が育てていくのかという観点に立ったときに、日本語は特に重要だとは思うんですけども、同時に母語の力を伸ばすということも重要だし、ある意味、日本人とのいい交流、刺激を受けるような教育が目指せるんじゃないかなと。そういう視点に立って、どういう教育をしていった方がいいかということを是非考えたいなと思っています」との旨が述べられていた。
この発言に対しては、座長は「日本社会で生きていく市民としてどう育てていくのか、多文化共生、それから、グローバル人材として外国人が持っているよさをどう生かしていくのかということが打ち出されましたので当然それを踏まえることは共通理解が得られると思います。また、母語の重要性については最近、複言語主義という考え方が出てきていますので、そうした視点も踏まえて制度設計するということでこの点についても共通理解できると思います」との旨の見解を示していた。
なお、複言語主義とは、多言語主義とは異なり、個人レベルで複数言語が併存している状態を示す言葉とされている。