日本の出入国在留管理庁と文化庁は、日本に住む外国人が増え国籍も多様化する中で、さまざまな場面で情報を伝えたいときに、やさしい日本語を使うことなどを目的として『在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン』を作成した。
出入国在留管理庁と文化庁は、共生社会実現に向けたやさしい日本語の活用を促進するため、学識有識者・地方自治体・外国人を支援する団体の関係者などからなる「在留支援のためのやさしい日本語ガイドラインに関する有識者会議」を開催していた。この会議は、4回にわたって開催されており、その結果として『在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン』が作成された。
作成されたガイドラインによると、日本に住む外国人の数は、ほぼ毎年増えていて、2019年末には約293万人で過去最多になり、30年で約3倍に増えている。また、日本に住む外国人の国籍の多様化が進んでおり、国籍を見ると、1988年には全体の7割強が韓国・朝鮮だったが、2019年には中国(27.7%)、韓国(15.2%)、ベトナム(14.0%)、フィリピン(9.6%)、ブラジル(7.2%)の5か国を合わせて7割強になっており、上位10の国籍・地域の公用語だけで9言語になるとしている。外国人が日本で安全に安心して生活するためには、法律などのルール、在留や社会保険などの手続、災害・避難情報をはじめとする国や地方公共団体からのお知らせなどを正しく理解することが必要であるとしている。
このガイドラインでは、『在留支援のためのやさしい日本語の作り方のポイント』として、「日本人にわかりやすい文章(日本人が読んでわかりやすい文章にするために簡潔な文章にすることを心がけます)」、「外国人にもわかりやすい文章(日本語が母語ではない外国人に配慮して日本語をわかりやすく)」、「わかりやすさの確認(書き換え案ができたら、日本語教師や外国人に、わかりやすいかどうか、伝えるかどうかをチェックしてもらいましょう)」を行うように呼び掛けている。